請願第1号、後期高齢者医療費窓口負担の原則2割化に反対する請願 反対討論

△日程第17 請願第1号

○議長(小林隆利君) 次に、日程第17、請願第1号、後期高齢者医療費窓口負担の原則2割化に反対する請願を議題とし、厚生委員長の報告を求めます。林厚生委員長。
〔厚生委員長 林 和明君登壇〕

◎厚生委員長(林和明君) 請願第1号、後期高齢者医療費窓口負担の原則2割化に反対する請願について申し上げます。
まず、審査に先立ち、請願者から趣旨説明制度に基づき願意の説明を受けました。
審査において、少子高齢化が進行する中、後期高齢者医療制度は歳入と歳出のバランスが崩れ、財政的に厳しい状況に置かれている。この状況が続くと制度の維持が難しくなり、仮に制度が破綻した場合は後期高齢者の負担がさらに重くなることが懸念されるため、安定的かつ持続可能な制度にしていく必要がある。また、生活保護世帯には別途セーフティーネットが設けられていることから、本請願については反対であるとの討論がありました。
一方、老人福祉法には、高齢者は多年にわたり社会の発展に寄与してきた者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものと明記されていることから、高齢者が安心して暮らせる社会をつくることは政治の重要な責任である。しかし、社会保障制度は高齢者が優遇されている、高齢者を支えるために現役世代の負担が大きくなっているといったことを根拠に年金、医療、介護などの改悪が進められてきた。高齢者が大切にされ、安心して老後を送ることのできる社会の実現のためにも、本請願は妥当なものであるとの賛成討論がありました。
採決の結果、賛成少数により本請願は不採択とすべきものと決定いたしました。

○議長(小林隆利君) ただいまの委員長報告に対する質疑に入ります。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(小林隆利君) これより討論に入ります。
討論の通告がありましたので、順次これを許します。まず、成瀬議員の討論を許します。成瀬議員。
〔6番 成瀬 拓君登壇〕

◆6番(成瀬拓君) 請願第1号、後期高齢者医療費窓口負担の原則2割化に反対する請願について、賛成の立場で討論します。
高齢者の7割が所得100万円、年金収入220万円未満で、生活を支える唯一の公的年金が減らされ続け、年金収入が生活保護基準を下回る世帯が3割に迫っています。高齢者は厳しい生活を強いられているのが実態です。こうした現実があるにもかかわらず、安倍内閣発足後、社会保障が高齢者優遇となっている、高齢者を支えるために現役世代が苦労しているなど世代間を分断する宣伝が繰り返され、それが年金、医療、介護などの改悪を進める口実とされてきました。さらに、安倍政権は75歳以上の後期高齢者医療の保険料を最大9割軽減する特例措置の段階的廃止を決めました。
しかし、老人福祉法には、高齢者は多年にわたり社会の進展に寄与してきた者、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全な安らかな生活を保障されると明記されており、高齢者が安心して暮らせる社会をつくることは政治の重要な責任です。
本請願にあるとおり、75歳以上の医療費窓口負担を引き上げないことは国の責務であり、本請願は採択されるべきと考えます。
以上、賛成討論とします。

○議長(小林隆利君) 次に、齊藤加代美議員の討論を許します。齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) 請願第1号、後期高齢者医療費窓口負担の原則2割化に反対する請願に対して、反対の立場から討論をいたします。
平成20年度より導入された後期高齢者医療制度は、高齢者の医療費を中心に国民全体の医療費がふえ続ける中、高齢者の皆さんが安心して医療を受けられる、若い世代を含めて支え合う相互扶助の医療制度です。医療費の財源は窓口負担を除いた後期高齢者の皆さんの医療費総額のうち約5割が公費、国、県、市、約4割が現役世代からの支援金、約1割が保険料となっております。
しかし、昨今全人口が減少し、高齢者の占める割合が増加し、進む高齢化や現役世代の急減という人口構造の変動により、後期高齢者医療制度の財源の約4割を占める世代間の相互扶助として支援金を負担する勤労年齢世代に大変荷重がかかってきています。1人当たりの医療費の状況を見ると、平成29年度の全国平均は、後期高齢者医療制度で約94万円、国民健康保険では約36万円と国保の約2.6倍となっております。市人口の後期高齢者率も制度が始まった平成20年度から約10年間で約3%上がり、総人口が減少している中、後期高齢者の人数は約4,200人増加しています。この影響から後期高齢者の医療費は毎年増加し、それを支える現役世代の保険料等の負担が大変重くなってきているのが現実です。そこで、世代間や世代内の負担の公平化を図り、国の責任において国民皆保険制度を維持可能な制度としていくために、勤労世帯の後期高齢者医療への負担状況に配慮しつつ、負担のあり方を見直す検討がなされています。
そこで、生活困窮の高齢者には特別な配慮と負担の根源である医療費の適正化に向けて、疾病予防、介護予防を含めた重症化予防の施策を推進し、健康寿命や勤労年齢を延伸する努力をすべきと申し添え、反対討論といたします。

○議長(小林隆利君) 以上で討論を終結します。
これより採決します。本請願に対する委員長の報告は不採択ですので、原案についてお諮りします。本請願を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者 起立〕

○議長(小林隆利君) 起立少数であります。よって、本請願は不採択とすることに決しました。

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