上田市議会だより第68号(平成30年6月定例会/平成30年8月1日発行より
[主題]市政について
○議長(小林隆利君) 次に、質問第6号、市政について、齊藤加代美議員の質問を許します。齊藤加代美議員。 〔7番 齊藤 加代美君登壇〕
◆7番(齊藤加代美君) まず初めに、この議場で発言させていただけること心から感謝し、初めての一般質問とさせていただきます。
それでは、通告に伴い質問は3つ進めてまいります。まず初めに、上田市立産婦人科病院の特色についてですが、BFH「赤ちゃんにやさしい病院」に認定されている県内で2カ所、それも県下初18年前、2000年に認定を受けた公立病院です。病院のホームページトップでもお母さんと赤ちゃんが母乳育児に取り組めるようスタッフがお手伝いしますとはっきりと特色が打ち出されています。
私の出産の経験を少しお話しさせてください。地域の産科医の皆様やスタッフに見守られ、第1子、第2子通常の分娩で、おかげさまで母乳育児ができました。第3子は隣接する子育て支援施設ゆりかごを利用したく、上田市立産婦人科病院の前身、旧上田市産院での出産を望み、兄弟立ち会いのもと主体的なお産を体験したのが13年前です。旧産院で体験した助産師さんが寄り添い、お産前から母乳ケア等の意識づけ、出産後の心と体のケアアドバイスが間違いなく私の育児の自信へとつながりました。母親たちはお産を契機に産科医、助産師、医療スタッフの大きな支えを得て健全な育児へと移っていきます。特に母乳育児を推進する、しかも公立の赤ちゃんに優しい病院があり、隣接に信州上田医療センターが構えていてくれることは、上田市で安心した子育てのスタートができる、このことは大きな財産であり、子育てしやすいまち、イコール安心してお産ができるまちとして上田の魅力と私は確信いたしました。現に移住定住ツアーでは上田市立産婦人科病院の見学があります。この特色がきっかけで上田への移住を決めた方もいらっしゃいます。生産年齢人口の増加、少子化対策の一助も担っているとも言えます。
しかし、近年出産の高齢化、お産のスタイルの多様化、里帰り出産の受け入れなども踏まえ、私の経験したころとは母親たちの意識が時代とともに多様化していると、このごろ子育てサークル等の参加をし深く実感をしたところであります。
こうした時代の背景も重なるのでしょうか、大変残念なことに病院の理念でもある最も大切なことである母乳率が年々低下しているとお聞きしています。今も昔も変わらず命をつなぐ大切にしてきたことを根底に、中学校への出前講座、命の授業の開催等、公立だからできることを積極的に実施し、母乳育児を推進する、その理念を長期的に次世代につなげていく努力を強く願います。
そして、この理念を地域に根づかせるためには、経験豊富な先輩ママたち、パパたち、そしておばあちゃん、おじいちゃん、まさしく土屋市長がおっしゃっている市民力、共感力をおかりして仲間づくりを積極的に進め、継続可能な理念経営を行っていただきたいと願っております。
それでは、お伺いします。BFH認定「赤ちゃんにやさしい病院」についての実践について、1つ目、母乳育児支援を特色としていますが、妊産婦への母乳育児の意識づけをどのような考えで、手段で行っていますか。また、母乳育児支援を行うことにより妊産婦の意識は母乳育児へ向かっていますか。
2つ目、母乳率などによる現状把握や検証結果を踏まえた今後の取り組み等についてはどうでしょうか。
そして、3つ目、母乳育児成功のための10カ条の中に、母乳育児のためのグループを支援し、退院する母親にこのようなグループを紹介するという一条があります。市内の母乳育児グループは機能していますか。先輩ママたちと交流できる機会の提供は積極的に行われていますか。
そして、4つ目、母乳育児を志しても母乳の出が芳しくない場合のケアはちゃんと用意されていますか。
以上4件お伺いします。
○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。
〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕
◎健康こども未来部長(小林一彦君) 上田市立産婦人科病院につきまして何点かご質問頂戴しました。
最初に、母乳育児を特色としている病院として妊婦の方への意識づけ、そして妊婦の意識が母乳育児に向かっているかのご質問でございますが、産婦人科病院は、議員のご質問にもございましたが、平成12年度にユニセフから認定を受けたBFH「赤ちゃんにやさしい病院」を基本理念とし、母乳育児を推進してまいりました。赤ちゃんに優しい病院とは、ユニセフによる母乳育児成功のための基準となる母乳育児を成功するための10カ条、これを実践する産科施設等を認定する制度でございまして、母乳育児への思いのある方、またはそうでない方も全ての母子を対象として母乳で育てることの必要性を提唱し、母乳育児に取り組めるよう支援を行う制度でございます。産婦人科病院では診療開始前のミーティングにあわせまして基準となる10カ条を全員で唱和することにより、母乳育児支援に取り組む職員の共有化を図っております。また、母乳育児支援は全スタッフが一丸となり取り組むことが不可欠でございまして、医療スタッフのみならず、産婦人科病院にかかわる全ての職員を対象として、母乳育児への意識あるいは知識向上を図るための学習会を実施しております。このように職員一人一人が母乳育児の必要性を理解し、全職員が一丸となって母乳育児推進への取り組みを進めております。
また、産婦人科病院での母乳育児推進は妊娠初期からの取り組みを開始しております。しかし、全ての妊婦の方が母乳育児に関心を示されているというわけではないため、母乳育児推進をすることが負担とならないよう、妊婦からのご要望も傾聴しながら、母乳育児のよさを伝えて少しでも母乳育児ができるように支援をすること、また母乳育児ではなくても安全で安心な出産により順調に子育てが開始できる支援に取り組むこと、これらを基本といたしまして支援に取り組んでいるところでございます。
具体的には、これらを実践するために4つの取り組みを実施しております。1つ目として、妊娠中から集団指導として母親学級への参加の呼びかけ、2つ目として、助産師外来において母乳育児への導入として乳房の手入れなどの指導、声かけ、また3つ目といたしまして、外来において出産するまで乳房の手入れができているかどうかの確認、最後に4つ目といたしまして、出産後に必要な情報は妊娠中から収集し、産後へつなげていく仕組みであります。これらを実践するに当たりまして、看護課全体で母乳育児を支援するための支援チームを編成いたしまして取り組みを進めております。
さらに、分娩を終え安堵と疲労を抱える母親の皆さんをいたわる、励ます、褒める、支える、尊敬するという意識を持ちながら母乳育児支援に取り組んでおるところでございます。
議員のご質問にもございましたが、BFHの認定を受け18年を経過いたしましたが、「赤ちゃんにやさしい病院」を基本理念としていることで産婦人科病院を分娩場所としてご選択いただける妊婦さんがおいでになること、また母乳育児支援での取り組みを切れ目なく行っていくことによりまして、母乳率も年々このところ上昇の傾向が見える状況となっております。このため、妊産婦の母乳育児に対する意識の向上も同時に図られているのではないかというふうに捉えているところでございます。
次に、母乳育児などの現状の把握、検証の結果を踏まえた今後の取り組みについてのご質問でございます。先ほど申し上げました平成12年度にBFHの認定を受けてからこの間、旧産院の存続問題、産婦人科医師の確保の状況、看護スタッフの離職など職員体制や取り巻く環境の変化によりまして母乳育児支援の取り組みが低迷し、結果として母乳率の低下を来す時期もございました。その後平成24年に上田市立産婦人科病院として移転新築をいたしまして、施設の充実や医師及び看護スタッフの確保によりまして新たな体制となりました。これを契機といたしまして、母乳育児支援の取り組みを強化するため、院内に母乳育児支援委員会を組織いたしまして、看護課を中心とした体制により母乳育児に対する調査研究の取り組みを行うことで、母乳育児率も年々向上の状況を見ております。29年度の退院時の母乳率の実績でございますが、87.0%となっております。これまでの取り組みが一定程度の成果として出ているものと受けとめております。
母乳育児は、母乳で育てることが全てではなく、母乳で育てることへの必要な知識を持ち取り組むことが「赤ちゃんにとってやさしい」という理念でありまして、このための母親や母子を取り巻く家族を含めた総合的な支援を行う取り組みとなります。
また、BFHの認定後、産婦人科病院の助産師による「命の大切さを伝える性教育」を出前講座として始めました。「命を繋ぐ、命を育む、産み育てる、それは母乳育児が原点にある」をテーマといたしまして、昨年度は市内で10の中学校に講座として実施をさせていただきました。産婦人科病院のスタッフに対しまして、この講座を聞かれた当時生徒であった方が母親となり、産婦人科病院で出産された方からは、中学生のときに参加した産婦人科病院スタッフによる講座での母乳の話を覚えている、また自分が子供を母乳で育てたので子供にも母乳で育ててほしいと思うようになったなどのお声も寄せられておるところでございます。
今後も母乳育児支援の取り組みが母乳で育てることの意味やその大切さを次世代へ紡ぐ取り組みになっていくことを期待するところでございます。
続きまして、母乳育児グループのご質問でございますが、旧産院当時出産されたお母さん方が中心となりまして設立した育児サークルは、後継者不足などから残念ながら現在は活動休止状態となっております。このような状況の中、育児サークルの再始動に向けましての取り組みといたしましては、産婦人科病院で同時期に出産された母子の集いとして、赤ちゃん同窓会を定期的に院内で開催しております。この同窓会が独自の育児サークルへと移行し、さらには出産同窓生の枠を超えまして先輩ママあるいはパパの皆さんたちを含めた新たな交流のできるサークルへ発展できるよう、継続的な開催を進めてまいりたいと考えております。
次に、母乳育児が難しい方の場合のケアについてのご質問でございますが、子育てされている方の中には時には母乳で育てることが苦痛になるといったお声をお聞きすることもございます。この一番の原因は母乳の出方が芳しくないといった母乳トラブルによるものが多く、その原因は多種多様であります。対応といたしましては、個人のトラブルを早期に発見し、助産師による母乳指導や必要に応じて医師の診断によるケアの取り組みを行っておるところでございます。また、母乳トラブルを抱えたり負担感の強いという母子の方については、看護スタッフにより母親の悩みをできるだけ負担感が少ない、そういったことが緩和されるような傾聴を行った上で、個別の対策会議により検討を行っております。
今後も退院後の支援も含めまして切れ目のない子育て支援が継続できますよう、その取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕
◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。私の認識不足により母乳率が上昇していることをお聞きし、大変安心をいたしました。そして、出前講座、新規に命の授業を体験したことが自分の命を大切にできる、時を経て命をつなぐ女性である意識を育める、とても大切なことを行っていただいております。引き続き経営理念へのご努力を期待し、注視してまいりたいと思います。
次の質問に移らせていただきます。お産から切れ目のない子育て支援についての質問です。核家族化の進行、共働きの増加など子育てを取り巻く環境が大きく変化する中、妊娠期、出産直後、子育て期にわたるまでそれぞれの担当部署での対応となりますが、母親が一番安心して子育てができるためには、すき間なく切れ目のない共通な観点を持って寄り添い続けてもらえる支援体制が大切であります。この件につきましては、横断的な支援ではないと心配される市民の方の声を多くお聞きいたしました。
そこで、上田市では平成28年度から子育て世代包括支援センターとしてワンストップ相談窓口を置くひとまちげんき・健康プラザ、市内中央で機能し、母子保健コーディネーター、助産師がいてくれることを知り、先進的に支援体制が整っていることがわかりました。この制度は平成27年度秋、厚生労働省から通達があり、翌年実施され、上田はいち早く取り入れていただいていることは深く評価いたします。このように継続性を持ち、寄り添った子育て支援が既に実行されていることは、子育て世代家族にとって安心した子育てにつながるものだと信じております。あわせてこのような支援体制が整っていることももっと積極的に周知があれば、より子育て世代に安心が提供できるのではないでしょうか、と考えます。
そして、さらに望むのは、新生児訪問も実施されている中、出産の退院後できる限り早い新生児訪問の実施ができれば、一番大切な時期の産後鬱等の早期発見、予防につながり、子育てがスムーズに進むことにつながると考えます。産後の心は想像以上に不安定になっています。先日も第1子が2カ月になるママは、こんな小さな子を外に出していいのか、不安でいっぱいになりながら、葛藤しながら西部公民館のプレ親子ののびのび広場に参加しました。アパートで昼間赤ちゃんと2人のことも多く、実家も遠いことから助言者も近くにおらず、数日後の新生児訪問を心待ちにしておりました。本当に困っている人は外に出られない、迷って迷ってよっぽどの覚悟を決めないと行動に移せないのです。だからこそ玄関のドアをたたいてママの心の不安に寄り添ってほしい、新生児訪問が一日でも早く実施してほしいという願いでいっぱいです。
そこで、お産から切れ目のない子育て支援について、まず最初に産後鬱の予防、早期発見のための施策について、予防や早期発見には産後2週間目のケアが今重要とされていますが、産後2週間目のケアのための施策を実行または検討されていますか、お伺いいたします。
○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。
〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕
◎健康こども未来部長(小林一彦君) 産後2週間目のケアのための施策の実行または検討しているかのご質問でございますが、産後鬱病は、出産後の女性ホルモンの急激な変化などにより心身に大きな影響を受け、加えてなれない育児などのストレスや疲労で情緒不安定あるいは自信喪失などの心の不調が続いた状況により発症すると言われております。産婦の約10%に見られるとされておりまして、多くは産後一、二週間から数カ月ごろに発症をいたしまして、また最近の国の調査では、議員ご指摘のとおり、産後2週間をピークとした1カ月の短い期間にリスクが高まることがわかってきております。産後鬱病の対策として大事なことは、育児不安や育児疲れとして時期が来れば自然に治ると見過ごされてしまうことがありますので、専門職により早期に発見し、対応することが必要とされております。
上田市では産後全ての乳児と産婦に対し、助産師、保健師が病院から帰宅後なるべく早い時期に新生児訪問を実施しておりまして、この訪問時には専門の診断ツールといたしまして開発された「エジンバラ産後うつ病質問票」を用いまして産婦の心の状況も確認することとし、産婦の抱えていらっしゃる不安などに寄り添いながら、傾聴しながら支援を行っております。
新生児訪問でありますが、具体的には生後14日以内に出生届を出していただいた後、各保健センターで確認し、母子保健コーディネーター等から電話をさせていただいて具体的な日程打ち合わせをして訪問に至ると、こういった流れとなります。里帰り出産など実家からお戻りになれる期間が不確定な場合もありまして、延長されることの場合もあり、産婦の状況やご家庭の予定に合わせて必要なタイミングで新生児訪問をさせていただいております。
また、母親の不安感が強い等で出産後の様子により早目に新生児訪問が必要と思われる方に対しましては、医療機関から市へ直接連絡をいただくこともございます。そうした場合には、地区担当保健師、また母子保健コーディネーターが速やかに連携いたしまして、必要に応じて医療機関に出向き支援を開始することもございます。
また、通常出産後1カ月をめどに定期健診を医療機関で受けていただいておりますが、産後2週間ころのリスクが高い状況がわかってまいりましたことから、産後2週間目にも健診を行う、いわゆる産婦健康診査の導入が全国的にも始められてきております。このため、切れ目のない子育て支援の対応といたしまして、この産婦健康診査につきましては、上田市といたしましても今後前向きに導入を検討してまいりたいと考えておりますが、当面この10月から子育て支援施設ゆりかごにおいて母子保健担当と産婦人科病院とが協働いたしまして、専門職の助産師を派遣した産後ケア事業を実施することとしておりまして、関係経費を今議会に補正予算として計上させていただいておるところでございます。この産後ケア事業は、産後間もない時期に休養しながら育児支援、母乳指導などを受けられる事業でございまして、鬱傾向があると思われる産婦の方への支援事業としても位置づけられており、産科医療機関とより連携を密にいたしまして、産後鬱の方に対する支援につきましても進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕
◆7番(齊藤加代美君) 前向きな取り組みをお聞きし安心をしました。このような施策についてぜひとも周知のほうもあわせてお願いいたしたいと思います。
続きまして、出産、子育て包括支援体制についてです。1つ目、平成28年度から子育て世代包括支援センター機能を導入していますが、これまでの運営状況をどのように自己評価していますか。
そして、2つ目、子育て世代包括支援センターはひとまちげんき・健康プラザうえだにおいて、助産師や看護師、保健師の連携とあわせ、母子保健コーディネーターを配置しワンストップで行われていますが、今後丸子、真田、武石地域においても母子保健コーディネーター等を配置し、強化、整備することはできないのでしょうか。
2点お伺いいたします。
○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。
〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕
◎健康こども未来部長(小林一彦君) 平成28年度から子育て世代包括支援の導入を行っているが、その運営状況、そして評価についてのご質問でございますが、近年の核家族化と多様な家庭及び家族の状況等によりまして、妊娠、出産、そして子育てに至るまで限られた家庭または個人が行うといった、こういった状況も見られるところでございます。安心して妊娠期から子育て期までを過ごすために、身近な地域で必要な支援を受けることができる、またその環境が必要となってきております。
こうした社会背景の中、母子保健と子育て支援は両面からおのおの多様な支援の充実にこれまでも努めてまいりましたが、必要な情報が十分に届けられていなかったり、支援に一貫性を欠いているなどの課題等のご指摘もいただいたところでございました。また、支援には多くの関係機関がかかわりますことから、関係機関の相互での情報共有や連携をいかに密にして対応していけるかが課題となっておりました。
これらの課題があることを踏まえまして、国では子育て世代包括支援センターを各市町村に設置し、妊産婦、乳幼児の状況を継続的、包括的に把握いたしまして、必要な支援の調整や関係機関と連絡調整をし、妊産婦や乳幼児等への切れ目のない支援を提供する機能として位置づけをいたしております。
市では平成27年度10月より子育て支援コーディネーターを配置し、翌平成28年度より母子保健コーディネーターを子育て・子育ち支援課と健康推進課にそれぞれ配置いたしまして、子育て支援センターや子育てひろばの巡回等による相談事業と、支援サポートや地域の情報収集の実施を子育て支援コーディネーターが、また妊娠届からの全ての妊婦の把握とアセスメント、必要により支援プランの作成等の妊婦支援の実施を母子保健コーディネーターがそれぞれ行っております。また、それらの状況を月1回の定例会議で共有し、活動において課題となったことにつきまして検討を行うこととしております。
子育て支援コーディネーターが地域で行われている民間も含めた支援情報の収集により、母子保健コーディネーターが行っております個別支援に生かすことにつながり、子育てひろばで支援を求めておいでになる母親からスムーズに保健師、助産師への支援につなげる、こういうことができるようになったものと受けとめております。引き続き情報共有と連携によりまして早期に適切な支援に結びつける取り組みを進めてまいりたい、このように考えております。
なお、さらには産後及び妊娠中からの母子の支援といたしまして、その連携強化として、産婦人科病院の職員も会議のメンバーに加わりまして検討等を行っておるところでございます。
次に、包括支援につきまして、各地域においても整備することはできないかのご質問でございますが、平成28年度よりひとまちげんき・健康プラザに子育て世代包括支援センターを設置しておりますが、この機能は市内の全域を対象にしたものでございます。母子保健コーディネーター的役割を担う保健師が各地域の保健・健康センターに配属されておりますので、定期的に会議を実施いたしまして、センターに市内全域の状況を集約いたしております。また、地域のニーズとして専門の母子保健コーディネーターが必要な際には、随時地域に赴きまして支援を行っているところでございます。子育て支援コーディネーターにおいても、市内全域の子育て支援センターや子育てひろばを巡回いたしまして、各地域の状況を把握したり、支援のサポートを実施しているところでございます。さらに、各地域の保健センターや子育て支援センターにおいても、それぞれ連携、協力体制をとりながら支援をしておるところでございます。
したがいまして、当面はこの体制を継続いたしまして、お住まいの地域によってサービスに差を来さぬように行うとともに、子育てにかかわる皆さんの不安感や心配事が解消されるよう、安心して子育てができるよう、今後とも母子保健と子育て支援の連携を密にしながら、効果的な、総合的な支援に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕
◆7番(齊藤加代美君) ご答弁をいただきました。引き続き強化、整備を期待いたします。
続きまして、3つ目の質問です。公共施設の利用についてです。市内には多くの公共施設や芝生公園があり、子育て世代から、そしてシニアの学習の場としてさまざまな幅広い利用があり、特に公民館などは地域特性が発揮できる市民力が結束した生きがいの場として、自由大学運動の発祥地らしい活発な利用がされていると感じております。
しかし、この3月政治活動中、こんな上田になったらいいなと多くの方のご意見をお聞きした際、若いお母さんたちが大変活躍する真田地域において、公共施設の利用を統一性を持って使わせてほしい、活躍できる場を提供、行政がもっと理解してくれたらいいなと要望がありました。その内容をお聞きすると、若い世代の方たちは今までの公共施設の利用の方法とは違った観点で新しいアイデアで利用する、いわば目的外利用に当たるものでした。その新しい利用の一例として、近年地域で開催されている手づくりマルシェ、フランス語で市場という意味があります。この上田地域でも「別所線と走ろう、歩こう」、真田地域では「さとのわマルシェ」、丸子地域では信州国際音楽村ルネッサンスなどで開催されたばかりです。それらのマルシェでは、地域で活動、活躍する女性たちの多いことに大変驚かされます。それらはいずれも施設の外の広場を使った催し物になります。
そこで、どの場所がどうやって利用できるのか、料金は幾らなのか調べてみると、このような具体的な利用に当たっては利用条件や利用料金等について条例を調べなくてはならず、なかなか見つかりにくく、積極的に公開されているものではありませんでした。また、同じ施設や敷地を利用する場合でも別に目的外利用の手続が必要な場合もあることから、利用希望者が理解するのに大変時間を要してしまったようです。
土屋市長の施政方針の1つ目のまちづくりの視点、市民が主役、市民力を高めるまちづくり、それを市民の皆様が実践していただくためには、多様化する施設利用要望に柔軟な対応が求められると考えられます。
多様化する施設利用要望対応についてのご質問です。1つ目です。今後も公共施設の中庭や芝生広場を利用してマルシェなどのイベントを開催したいといった利用要望が多くあると考えます。利用者視点に立った利用方法をもっとわかりやすく、周知方法や目的外利用についての施設間の統一的な対応が必要と考えますが、いかがですか、伺います。
そして、2つ目、文化交流施設サントミューゼの交流芝生広場は立地条件や規模から利用価値が大変高い場所であると考えますが、一般のイベント利用、販売を含む場合についてどのように考えているのか、2点お伺いいたします。
私の一般質問をこの質問を最後とさせていただきます。
○議長(小林隆利君) 山口財政部長。
〔財政部長 山口 武敏君登壇〕
◎財政部長(山口武敏君) 私からは公共施設の中庭や芝生広場について、利用方法のわかりやすい周知、また目的外利用について施設間の統一的な対応がとれないかについてご答弁申し上げます。
公共施設の中庭や芝生広場などには、貸し付けや使用のために設置されている場所とそれ以外の場所がございます。このうち貸し付けや使用のために設置されている場所につきましては、議員ご指摘のとおり、それぞれ条例に使用手続と使用料などが定められておりますが、これらの情報についてご利用の皆様のニーズを踏まえた上で利用者視点に立ったわかりやすいものとなるよう、周知方法の工夫に努めてまいります。
一方、貸し付けや使用のために設置されている場所以外の中庭や広場につきましては、行政財産の一部となっておりまして、緑地などの目的や用途、こういったものを持った場所でございます。これらの行政財産を本来の用途や目的以外で使用する場合は、行政財産の目的外使用の手続により許可を受けていただく必要がございます。この使用許可の可否につきましては、施設を所管する財産管理者が条例や規則に定められた規定に基づき判断をしておりますけれども、具体的にはその使用が行政財産の用途または目的を妨げないものである場合や、行政財産の効用を助長させる場合に例外的に一時的な使用の許可ができることとなっております。
このように行政財産の目的外使用の許可につきましては、その性質上、施設ごとの状況等により個別の判断が必要となりますことから、施設間の統一的な対応は難しい状況でありますけれども、使用に関するお問い合わせや手続に対する窓口での説明をわかりやすく行う、こういった対応に心がけてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。
〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕
◎政策企画部長(柳原渉君) 私からはサントミューゼの芝生広場についてご答弁申し上げます。
サントミューゼの芝生広場は、交流芝生広場といたしまして、市民の皆様が自由に行き来し、使うことができる広場として開放しております。また、大ホールや小ホール等における有事の際の避難場所としての位置づけにもなっております。現在親子連れでのピクニックや散歩コースとしての使用、また学生によるサッカーやダンスの練習、学校行事等での集合場所等多様な使い方をしていただいております。
一方、多くの方に自由に使っていただく広場として開放しておりますことから、芝生広場のみを占有して使っていただくことはご遠慮いただいております。ホールの使用者が関連イベント等で使用する場合ですとか、昼食場所等としての使用については認めているところでございます。
しかしながら、議員ご指摘のとおり、芝生広場を使用したいというご要望はこれまでもいただいておりますので、今後は育成と芸術文化の振興を基本理念に掲げるサントミューゼの設置趣旨を踏まえまして、市民の憩いの場としての使用はもちろんのこと、にぎわいの創出につながる有効な利活用について、ご要望をお聞きする中で対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。