令和2年3月一般質問

第77号(令和2年3月定例会/令和2年5月16日発行)

(議事録令和2年3月議会)
◆7番(齊藤加代美君) 通告に伴い、上田市立産婦人科病院、子育てに優しい上田、そして青少年の居場所づくり、3点について伺ってまいります。
まず最初に、このたびのコロナウイルスの感染対策において、それぞれの部局における急務な対応にねぎらいを、そして市民お一人お一人それぞれの困り事を抱えながらも今を乗り切ろうと、できることを自分事でしてくださっていることに心から感謝いたします。また、新型肺炎に妊産婦の感染、お産になることも予測があります。どうか万全のシミュレーションをお願いいたします。
このたび上田市立産婦人科病院、これからは産婦人科病院と呼びます。常勤医が2月3日付で就任いたしました。しかし、上田市が上小地域の周産期医療の牽引を担っている中、重要な立場において、大変重要な産科医をお隣の東御市民病院の常勤医の先生が就任したこと、実は大変驚きました。本人のご希望とはお聞きしましたが、上小地域にとって本当に適切だったかと疑問を持っております。
私もこの4月で議員になり2年間、幾度か産婦人科病院について質問を繰り返してきました。厚生委員会に所属し、産婦人科病院について多くの議論も重ね、平成30年度産婦人科病院事業会計決算認定附帯意見とし、経費の削減等により収入の黒字化に向けた取組を進めることに基づき、実情と今後の経営ビジョンについて伺ってまいります。
1点目といたしまして、2月から常勤医師が2名体制となりましたが、収支黒字化との関連性はどのように捉えているか伺います。
そして、2名体制になったことで非常勤医師の人数が減り、人件費が削減すると理解はしております。常勤医2名になったことで解消されると期待することは、女性にとって大変デリケートな医療分野、仮に私が妊産婦だとしたら、多くの医師が担当することは不安に大変つながります。次の病院はきっと慎重にならざるを得ない、そのことを解消することを期待しております。
2点目といたしまして、妊産婦1人に対し非常勤医師を含めた複数の医師が担当することは妊産婦にとって不安に感じることを理解しているでしょうか。また、担当医、助産師担当制度は導入しているか、2点伺います。

◎健康こども未来部長(小林一彦君) 市立産婦人科病院についてのご質問を頂きました。
最初に、常勤医2名体制となったが、収支黒字化との関連性について答弁申し上げます。平成30年度以降常勤医師1名での厳しい診療体制の中で、非常勤医師を確保しながら、地域で必要となる分娩取扱体制の維持を最優先といたしまして、診療制限を行うことなく医療の提供を行ってまいりました。このような状況の中で安全性を確保するために、リスクをお持ちの患者は二次医療を担う信州上田医療センターへ早めに紹介することで当院での分娩取扱件数が逆に減少する要因となっておりました。併せて、里帰り分娩利用者数が減少したこともございまして、昨年度の決算では7,234万6,000円余の純損失を計上するに至っております。
こうした中で、この2月から、議員も触れられておいでになりましたが、新たに医師が着任いたしまして常勤医が2名になったことで、通常当院で扱うべき分娩を担う体制に戻ることになり、安定した体制で診療ができることとなりました。これにより、信州上田医療センターへの紹介件数の減少にもつながり、分娩件数と医業収益は一定の回復が見られることを期待いたしております。
一方、常勤医師を採用することができたことによりまして、診療体制を補完してきた非常勤医師の雇用を調整する、減らすことも可能となったところでございまして、人件費を見直すことによる経費節減にも努めてまいります。
さらに、常勤医師に対し当直回数に応じた割合で支給をしております医師職務手当について、この1月から支給基準を見直しをいたしまして経費削減を図ったほか、非常勤医師の報酬単価についても見直しを行い、同じく経費の削減を図ってまいります。
次に、担当医制等についてのご質問でございますが、産婦人科病院では分娩に対応するために24時間医師が常駐いたしまして、外来も複数の医師を配置して診療を行っておりますので、医師の担当医制はとってはおりませんが、しかし医師や看護スタッフによる症例カンファレンス等を通じまして患者の方の情報を共有し、診察に当たっております。
常勤医師1名体制のときには複数の非常勤医師にお願いいたしまして診療体制をとってきたところでありますが、新たに常勤医師を確保できたことで、これまでに比べまして固定的な医師の勤務体制で診療を行うことができることとなりまして、患者の皆様に安心してご利用いただける環境が整ってきたものと捉えております。
ご質問にございます助産師の担当制につきましては、当院をご利用いただいている妊産婦の方に対し、チーム担当制による医療や助産、看護の提供を行っております。具体的には、看護スタッフを4チームの編成といたしまして、妊産婦ごとに担当チームを固定化し、妊娠中から出産、産褥まで妊産婦のご希望や状況を把握をし、一貫した医療、助産、看護の支援が受けていただけるよう進めているところでございます。
また、妊産婦の状況に応じて必要な場合には、チームの中で主担当を固定化し、妊娠中から関係性を深め、関わりを高めることにより、患者様の体調や出産に対するニーズにお応えできる出産につなげるための体制をとってきております。併せて、妊娠中及び出産後の育児に不安をお持ちの方につきましては、継続的な支援を受けることが可能となるよう、保健師などの関係部局と連携をとりながら不安の軽減に努めているところでございます。
以上でございます。

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。医師の報酬単価の見直しなどご努力をされていること、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。また、ここで産みたいという妊産婦に寄り添い、そして助産師さんの力が最大限発揮できる病院であることを深く望んでおります。
昨年9月の一般質問で経営悪化について詳しく説明を私は受けました。産婦人科病院の出産数を昨年1月までの356名、そして今年度1月末279名と、前年対比しますと、前年比と約78%、マイナス22%と驚きの実績でした。平成29年度をピークに大幅な出産数の低下、そこで1点目、産婦人科病院の開院以来の出産数と外来患者数の推移をどのように捉えていますか。また、当院以外の市内の産科病院における出産数の推移はどうでしょうか。
2点目といたしまして、来年度から病室を利用した宿泊型産後ケア事業を実施予定であるが、事業の目的と内容はどうか、2点伺います。

◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、産婦人科病院の開院以来の出産数と外来者数等の推移について申し上げます。
市立産婦人科病院におきましては、平成24年の移転新築以降、分娩件数、外来患者数ともに平均して年約3%の増加で推移してまいりました。地域内の分娩施設が減少傾向にある中で、公立病院としての役割を果たし、産婦人科病院の基本方針であります「赤ちゃんとお母さんにやさしい病院」として利用者に寄り添う医療の提供をしてきたことで、地域に求められる役割と機能を担うことができてきたものと考えております。
また、当院以外の市内の分娩を取り扱っている2つの医療機関では、それぞれにおいて分娩取扱件数は年々増加傾向にございまして、周産期医療提供施設が減少する中で、この地域においては地域内完結型の周産期医療提供体制が維持できてきたものと考えております。
平成30年度の途中から常勤医師が1名体制になったことから、安全性を重視した医療の提供を行うため、リスクを抱える妊婦の方については信州上田医療センターのご協力によりまして早期の紹介を進めたことなどにより、分娩取扱実績は大幅な減少となりました。こうした中で、先ほど申し上げましたとおりでございますが、新たな常勤医師の確保ができたことから、新年度以降は分娩取扱数など業務量の一定の回復が見込めるのではないかと考えております。
次に、来年度から行う宿泊型の産後ケアの事業、その事業の目的と内容についてでありますが、現代社会の傾向といたしまして、核家族化や地域のつながりの希薄化など、妊娠、出産、子育てに対する環境が変化しつつある中で、妊産婦の抱えていらっしゃる不安や負担が増えてきているものと受け止めをいたしております。4月から上田市が新たに取り組みます産後ケア事業は、退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポートを行い、産後も安心して子育てができる支援体制を確保することを目的といたしております。
この事業には2つの形態がございまして、宿泊型は産婦人科病院と助産所とうみに、またデイサービス型は助産所とうみとの委託により事業を実施する予定となっております。産婦人科病院では出産後の母及び生後3か月未満の乳児を対象に、空きベッドを利用しての宿泊をしていただきまして、お母さんの心身の健康管理、授乳指導や育児サポート等のきめ細かな支援に取り組んでまいります。
具体的には、24時間常駐する助産師が支援に対応いたしまして、必要な場合には医師の診察につなげることも可能となります。また、市民の方であれば産婦人科病院以外で出産された母子の方も利用することができ、育児不安や育児不慣れで支援が必要となる方に利用していただけるよう実施してまいります。
以上でございます。

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。新しい試みに心から期待いたします。
それでは、母乳外来の実績のお話をさせてください。令和元年度から2週間健診と同時に全対象者に拡大したこともあり、昨年133件に対し、今年、令和2年1月時点で282件と2倍以上の実績となっております。このように助産師さんの能力を活用した産後ケアを充実されていることは産婦人科病院の新たな大変な魅力と思っております。そして、BFHへ「赤ちゃんとお母さんにやさしい病院」を打ち出し20年たちました。今後の宿泊型産後ケア事業も増え、理想は私は母乳育児だと思っていますが、それも願っていますが、今の時代、父親の育児参加などと大変時代の変化は急速に変わってきております。母乳が著しくない方への安心したケアを含めた今の時代に合った病院であることも重要と考え、今求められているニーズの変化を踏まえ、今市民から選ばれる病院になるためには何が必要であると考えているか、また今後の経営ビジョンについてどうか、お伺いいたします。

◎健康こども未来部長(小林一彦君) 市民から選ばれる病院になるため、また今後の経営ビジョンについてはどうかのご質問でございました。
より多くの皆様がお産をする病院として当院を選んでいただくためには、産婦人科診療のガイドラインに沿った安全で安心な医療を継続した上で、信頼される公立病院として病院の魅力づくりにも取り組むことが必要と考えております。
具体的には、妊娠中の定期的な妊婦健診以外でも気軽に病院に足を運んでいただき、病院スタッフと触れ合う機会を増やすための院内でのイベントや、出産後の育児不安や孤独化を防ぐための親子で参加するイベントの開催、あるいは育児サークルへの支援など、利用される方々との交流を持てるよう取り組んできたところでございます。今年度は赤ちゃん同窓会、七夕まつり、クリスマス会などを開催いたしており、大勢の皆様にご参加いただいたところでありました。
また、産後ケア事業や母乳相談の実施、産後鬱予防等を目的とした産後2週間健診や1か月健診を実施し、医療においても既存の施設の機能を十分に活用し、外来での診療内容を充実させるとともに、リアルタイムで分かりやすい情報の提供としてホームページの充実など、引き続き当院を選んでいただける病院づくりに取り組んでまいります。
今後の経営ビジョンといたしましては、昨年9月市議会定例会において附帯意見を頂戴いたしました。経営改善や病院の果たすべき役割、経営の在り方を踏まえまして、現在病院の運営を維持しながら、将来の病院の経営の在り方につきまして内部的な検討に着手をいたしたところでございまして、また併せて運営を維持するために義務的経費の削減や医療提供サービスの充実による利用者の確保など、収益の確保や経費の削減の両面から取組を進めているところでございます。
昨日の佐藤清正議員の代表質問でも答弁を申し上げたとおり、病院経営の将来の在り方につきましては、新たな組織となります地域医療政策室とともに、この地域で安定的な周産期医療の提供体制を維持するための取組についての検討と併せまして、産婦人科病院の在り方の検討を進めてまいります。
以上でございます。

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁を頂きました。ぜひとも今後市民と考える、例えば周産期フォーラムなどを企画し、市民のニーズ、意見をどうぞつかんでください。そして、昨日佐藤議員の質問に院内助産院、手法として考えられるという答弁もありました。新改革プラン、来年度最終年度となります。そして、新組織、地域医療政策室に大きく期待をしております。
それでは、次の質問です。子育てに優しい上田として選ばれるための取組について伺ってまいります。今回の市長施政方針では、子育て支援について、子育てに夢や希望が持てる社会の実現を目指し、子育てするなら上田市でをアピールするというさらなる支援事業の拡充を努めると力強い言葉を頂きました。そのためには、子育てしやすい、子育てに優しい上田として選ばれなければなりません。子育てしやすいまちを見極めるポイントは行政による支援、これは大きな指標となります。そして、若い女性に選ばれるまちとなることも大変重要です。
上田市の姉妹都市、兵庫県豊岡市、コウノトリで有名な豊岡市ですが、取組といたしまして、人口減少の最大の要因は若い女性に住む場所として選ばれていないための考えから、2018年からジェンダーギャップ解消を掲げ、施策を展開しています。特に子育て中の時間短縮勤務など、共働きで子育てに優しいまちであることはとても魅力的であり、大変効果が上がっているとお聞きしております。
そこで、伺います。子育てに優しい上田として選ばれるための取組について、子育てしやすい地域になるために重点的に実施している施策は何か、また市が目指しているところは何か、土屋市長に伺います。

◎市長(土屋陽一君) 子供たちが健やかに育つこと、これは社会の宝である子供たちに対する全ての人の願いでもあります。私も子供は地域の宝であり、安心して子育てができるまちづくりを目標の一つに掲げ、子供たちが家庭や地域において豊かな愛情に包まれながら、夢と希望を持ち、未来の担い手として個性豊かにたくましく育ってほしいと願い、子育て支援策の充実に取り組んできたところであります。
しかしながら、子育てをする環境を見ますと、少子化や核家族化が進展し、子育ての手本となる存在が身近におらず、どう子供を育てていいのか分からないなど、子育てに不安や悩みを抱える親が増加傾向にあります。また、児童虐待の顕在化、子供の貧困、若年層における自殺の深刻化など、子供が安心して成長する基盤が揺らぎ、支援が必要な子供や家庭が増えているのが現状であります。
こうした多くの課題の中、上田市では今年度子育て支援施策を総合的に推進していくための上田市子ども・子育て支援事業計画の第2次計画について上田市子ども・子育て会議に諮問し、去る2月5日に答申を頂いたところであります。今後はその内容を最大限尊重し、子育て環境の充実に努めてまいりたいと考えております。
この第2次計画にも子供の成長段階や家庭の置かれた状況に応じて数多くの施策が盛り込まれておりますが、その中でも私が社会状況の変化に対応して重点的に取り組むべきものとして捉えておりますのは、まず子育てと仕事の両立への支援という点であります。両親とも就労している世帯が増えており、今年度市内2か所目の病児保育施設を設置いたしましたが、今後はさらに保育園の受入態勢の確保や放課後の子供の居場所の充実を図り、子供にとっても安心して過ごせる環境の整備を行ってまいります。
また、発達障害のあるお子さんへの支援の充実や、医療的ケアの必要なお子さんへの支援体制の整備、児童虐待防止対策や子供の貧困対策など、より丁寧できめ細かな対応が必要な子供や家庭への支援も取り組むべき喫緊の課題であると認識しております。
さらに、子育てしやすい環境とは何かと考えますと、行政の施策に加え、子育てをする家族を温かく見守る地域の存在が不可欠なものであると思います。現代の子育てを共に考える講座などを開催し、子育て家庭を応援する機運の醸成などにも取り組んでまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、子供が健やかに成長していかれるよう、ニーズに沿った施策を実施するとともに、若い世代に上田市で子供を産みたい、子育てをしてみたいと夢を描いてもらえるよう、そしてまた上田市で子供を育てる喜びを多くの皆さんに実感していただける社会の実現を目指し、子育て支援施策の充実に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁を頂きました。共働き世帯への支援は大変重要です。どうぞ引き続き重点的にお願いいたします。そして、私も今回この一般質問のときにいろんな資料を見させていただきながら、「子育てをするなら上田市で」、「で」とついていると、これは外向けのキャッチなのかな、それとも「で」を取ると「子育てするなら上田」と言い切ると、シビックプライドを醸成させる市民向けのキャッチとなります。そう疑問を持ちながら今回この一般質問を考えさせていただきました。こう疑問を持つのは私だけでしょうか。
さて、核家族や地域コミュニティーの在り方が大きく変化した今、自治体の子育て支援策は重要度が増すばかりです。上田市は県内でも先進的な子育て支援策を早期に打ち出し、実施していることは高く評価しております。近年どの自治体でも子育て支援を強化しながら、上田だったらこれというものが実は輝くものが見えにくくなっているような気がしております。
そこで、最も選ばれるためには、1、産後ケア、そして2に豊かな保育、重要な指標となっております。国内で唯一の公立単科の上田市立産婦人科病院は、市民の周産期を市が責任を持っている、これは大きな特徴です。さらに、地域周産期母子医療センター、お隣の信州上田医療センターが隣接されており、市民から見ればとても安心につながっています。しかし、現実はカルテは共通ではなく、両病院それぞれ受診が必要となるのが現実です。厚生委員会の附帯意見でもあります連携強化を図ることにより出産、育児支援と医療の質を高め、助産師さんの活躍など様々な効果がさらに期待でき、上田のさらなる特徴となることを言い添えて、次の質問に移ります。
上田では来年度から強化される産後ケア、アフターフォロー、そして母子育児支援等に力を入れていることが大きな特色となっております。現状とさらなる支援策の取組はどうか伺います。
そして、2点目です。昨今男性の育児参加が求められている中、ゆりかごの利用は母子のみとなっています。大切な育児スタートの時期に両親そろってのサポートが必須です。核家族化が進み、今までのニーズと違っていることを踏まえ、子育て支援施設ゆりかごの利用状況はどうでしょうか、伺います。
そして、近年男性の育児参加が求められており、育児開始時期は夫婦そろってのサポートが必要であります。このため、産後ケアの支援対策として、子育て支援施設ゆりかごの利用対象者に父親を含めることを検討したらどうか、多くの希望が私のところにも届いております。この2点伺います。

◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、産後ケア、母乳育児支援の現状とさらなる支援策についてご答弁申し上げます。
妊娠、出産、子育て期は、妊産婦の方にとりまして身体的変化を伴う負担とともに、母親としての役割が求められる時期でございまして、精神的にも不安定な時期でございます。また、母親自身が幾つもの課題に同時に直面するときに支えるはずの家族にも課題を抱えている状況がありますと、さらに不安な子育てとなる場合もございます。こうした中、上田市においては妊娠届け時の全ての妊婦の方との面接、出産後自宅に戻って間もない時期の全戸の新生児訪問、そしてひとまちげんき・健康プラザでの助産師による母乳育児相談について、産前産後の母子支援として既に従来から実施をしてまいりました。
この母乳育児相談でございますが、新生児訪問も担当している助産師が担当いたしますので、その経験から母乳の相談を入口として様々な育児上の悩みの相談をお受けすることとしております。年間では延べ約1,000人の母乳相談、そして延べ2,800人の育児相談に対応をさせていただいております。母乳についての相談事業であるため、実際に乳腺炎の心配があるなど医療が必要となる場合には、市立産婦人科病院の母乳外来等への案内をするなど、産婦の方のニーズに合わせた対応も行っているところでございます。
加えまして、平成28年度からは子育て支援と母子保健の連携した子育て世代包括支援センターを開設いたしました。今まで別々に行ってまいりました各事業が母子保健と子育て支援それぞれのコーディネーターを配置いたしまして、一体的に行われることで各事業を取り巻く状況を幅広く捉え、支援の充実につなげておるところでございます。
また、平成30年10月からは子育て支援施設ゆりかごを活用し、助産師を派遣する産後ケアのデイサービス型を開始し、平成31年4月からは産後2週間と産後1か月健診を出産した病院等で受診できます産婦健康診査事業を開始いたしたところでございます。この産婦健康診査は、産後鬱質問票を用いまして、産婦の方の精神的な状況をチェックをすることで、その具体的な状況を産婦から確認することができる、今までの身体的な健康診査に加えまして、精神的な支援につなげる健康診査として充実を図ってきたところでございます。この健康診査導入後、今まで以上に出産後の医療機関等との連携が密となり、健診結果の情報により新生児訪問での対応や、必要な方へは産後ケア事業の活用など、産婦支援の早期対応につながっておるところでございます。
また、先ほども申し上げましたが、令和2年度からは助産師などの専門職の24時間体制で見守る産後ケア事業の宿泊型を市立産婦人科病院と助産所とうみにおいて開始することとしておりまして、産婦支援のさらなる充実に取り組んでまいります。
今後につきましても、産後のフォローについて、国や県の動向を注視しつつ、妊産婦の現状に即した寄り添った支援を進めてまいります。
続きまして、子育て支援施設ゆりかごでありますが、核家族化で実家が遠い、あるいは家庭での育児が不安、産後の肥立ちが思わしくないなどの母親が赤ちゃんと一緒に入所し、産後から心身の十分な回復を図り、希望に応じて育児相談などのサービスが受けられる施設でございます。利用状況といたしましては、原則6泊7日までとし、1日の利用料金と食事代をお支払いいただきご利用いただいております。平成29年4月からは上田地域定住自立圏構想の協定によりまして、連携町村の青木村、長和町、坂城町、嬬恋村の住民の皆さんにもご利用いただけることとなっております。利用中は育児経験のある専門の支援員が常駐いたしまして、身の回りの世話などを行っており、利用者の皆様からのアンケートでは、育児の相談ができた、ゆっくり休むことができたなどの感想を頂いておるところでございます。
利用状況についてでございますが、毎年平均して20人前後、延べ160日ほどの利用となっております。また、同伴者として新生児の兄または姉等きょうだいも一緒に寝泊まりすることができまして、休日や平日の夕方にはご家族がご様子を見に来られるといった状況にもございます。
次に、ゆりかごの利用者を父親にも広げてはどうかのご提案でございました。ゆりかごは同時に2組の母子が利用できる施設でございますが、シャワー室や洗面室、トイレなどは共用となっております。このことから、男性が寝泊まりすることで一方の家族への配慮が損なわれるなどの懸念もございます。したがいまして、ゆりかごはまずは母親の心身の回復を前提としたデリケートな施設としての役割を大事にしてまいりたいと考えております。
なお、議員ご提案の父親の育児参加は大切な視点でございます。この点につきましては、妊娠期のうぶ声学級での父親の育児体験や男性の育児などをテーマとする講座等の開催、仕事と家庭が両立できる職場環境の整備など、子育てが母親だけではなく、いわゆるワンオペ育児に陥らないよう、妊娠期から父親も子供を持つ生活をイメージできるような事業を行うなど、引き続き様々な取組を充実させてまいりたいと考えております。
以上でございます。

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁を頂きました。どうぞ父親視点、大事にしてください。
それでは、次に魅力ある幼児保育について、この2月に丸子まちづくり会議主催で子どもの明日を考える集いに参加いたしました。この信州やまほいく認定に携わった東御市出身の竹内さんのお話を伺い、長野県で令和元年8月時点で210園の認定となり、県内で3分の1認定を受けております。上田の認定を調べてみますと、公立のすがだいら保育園、そして上田女子短期大学附属幼稚園2園のみとなっておりました。信州やまほいくの質問は昨年金沢議員の質問でありましたので、詳細は省きます。
この講演で自分の子育てを振り返りながら納得することが大変多く、自然と触れ、不思議をたくさん感じ、子供自ら課題設定をし、失敗しても乗り越えることでやり抜く力が自信となり、自己肯定感を高める、子供は遊びの天才です。この芽を摘むのも伸ばすのも大人であることの責任だと思っております。
長野県の問題意識として、自己肯定感は小学生は6割、中学生では5割、高校生では3割程度自己肯定感が下がり続けると社会的自立が困難となり、ひきこもり状態も長期化となる、言わば社会問題であるニート、ひきこもりの深刻化が増すという講演の内容でした。自然体験や生活体験が豊かな子供は自己肯定感が大変高い、データ的な根拠もあり、社会問題の根っこの幼児保育の重要性を深く感じたところです。信州上田学でもライフステージに応じた学びの提供、やまほいくと連携した幼稚園、保育園の自然教育も出前講座で行うとして市長方針からありました。それらをどう形にしていくか、どう実行に移すかが重要だと考えております。
そこで、伺います。魅力ある保育の充実として県が推進している信州型やまほいく認定制度の取得を拡大する考えはあるか、お伺いいたします。

◎健康こども未来部長(小林一彦君) 信州型自然保育やまほいくについてでありますが、信州型自然保育認定制度は、信州の豊かな自然環境と多様な地域資源を活用した屋外を中心とする様々な体験活動に積極的に取り組む団体を長野県が独自に認定いたしまして支援する制度となっております。平成27年度から開始された制度でございますが、現在までに長野県全域で210園が認定を受け、県内の保育、教育施設の3分の1程度までに拡大いたしております。
認定の種類は2つございます。1つは、屋外を中心とした体験活動が週15時間以上とする特化型で、質、量ともに自然保育に重点を置いた活動が行われるものでございます。もう一つは、屋外を中心とした体験活動が週5時間以上とする普及型でございまして、これはほかの活動と併せて自然保育にも積極的な活動が行われるものとなっております。
上田市で認定を受けた園は現在、議員のご質問でも触れられておりましたが、公立のすがだいら保育園と私立の上田女子短期大学附属幼稚園の2園でございまして、いずれも普及型となっております。そうした中で、すがだいら保育園につきましては、信州上田学の一つとして、近隣のNPO法人やまぼうし自然学校と交流をしながら、山遊びや野外活動を行っております。
上田市といたしましても、自然保育は保育所の保育指針においても幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として、自然との関わり、生命尊重がうたわれているように、大切にしていかなければならない保育の形であると認識をいたしております。
また、当制度はやまほいくという愛称をつけておりますけれども、周囲に山々がないような環境でありましても、例えばまちの建物等の軒下から落ちる雨垂れの音にも自然を感じることができ、そのような小さな変化に気づくことが自然保育の基礎、ベースにつながることから、中山間地域以外の園でも取組は可能ではないかと考えております。
上田市においては四季折々の自然や伝統と歴史に育まれた地域資源は豊富でございますので、これらを教育、保育の現場に生かしつつ、自然体験活動など自然保育も推進するとともに、やまほいく認定園の拡大についても検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁を頂きました。前向きなご答弁、大いに今後期待しております。外向けのアピール同様、一番大切な市民、住民の幸福度が高まる施策をどうぞ掲げていただき、子育てに優しい上田を実現してほしいと願っております。
次の質問です。時間がないので急いでまいります。上田市婦団連の懇談会の中で、義務教育が終わった以降青年たちの居場所として上田市勤労青少年ホームが5年前に閉館となり、その後その役割を持った代替施設がない、近年増加するニート、ひきこもりの深刻化が進む中、こういった青少年を含む青年たちの居場所が明確でなく、青少年たちは行き場を探しているという当事者のお母さんのお話を伺いました。私が所属する会派では12月、世田谷区立希望丘青少年交流センターを視察しました。家にも学校にもないものを若者が主体的に活動できる場所や気軽に立ち寄れる居場所、そして若者たちが地域とつながり、世代を超えた交流を推進しており、活気にあふれ、調理室や録音スタジオが完備され、30歳まで無料で利用ができました。
そこで、伺います。勤労青少年ホームは5年前に閉館となり、その役割を果たす施設が現在ありません。上田市は青少年の居場所としてどのように考えているか伺います。
また、視察の際あまりにも録音スタジオが画期的だったので、特に音を出せることを主に置くと、上田には何があるかと考えました。ありました。音を出せるスタジオが完備されているサントミューゼです。そして、スタジオの利用率を聞いてみると、大変人気で95%の稼働率、だったら公民館は生涯学習の場として広く使われている、高齢者の利用が大変イメージが高いのが現状です。青年たちが起こした民衆による地域文化の創造と改革を求める自由教育運動だった上田自由大学の発祥の地として来年100年の節目の年となります。その原点を振り返ってほしいと願いながら、2点目、公民館では青少年を対象とした居場所づくりは実践されていますか。音が出せるように各公民館で防音対策を取っている部屋があると聞きます。青少年たちが気軽に音楽を演奏できる場として活用はできませんか。
以上、最後の質問といたします。

◎教育次長(中澤勝仁君) 青少年の居場所をどのように考えているかとのご質問でございます。
勤労青少年ホームは昭和41年に建設されまして、いわゆる若者の居場所、社会教育的な活動の場としての役割を果たしてきておるところでございます。その後、勤労青少年の余暇利用の多様化等に伴いましてホーム利用は減少し、僅かなクラブ活動や貸館の利用となりまして、施設の老朽化も著しい状況でありましたことから、平成27年3月に閉館に至ったという経過がございます。
閉館後は、各種講座の開催や若者のクラブ活動の場としての役割につきましては、公民館、体育施設及び勤労者福祉センターに引き継がれております。また、市内11か所の児童館、児童センターは、18歳未満の方は無料で利用できる施設となっておるところでございます。
一方、市内では民間の施設等もございまして、こういった皆さん方のご努力によりまして、若者に寄り添った取組が行われており、若者の居場所となっておるケースがございます。市といたしましても、こどもまつりや成人式実行委員会等の事業において、若者が運営側に携わる機会を通しまして自己実現の場を提供しており、今後ともこうした機会の提供ですとか、市民団体などが若者の居場所として運営している施設の情報を提供してまいりたいと考えております。
次に、公民館では青少年を対象とした居場所づくり事業を行っているかとのご質問でございます。公民館には青少年が自由に集える専用のスペース等は設けられておりませんけれども、高校生や大学生に働きかけまして、様々な公民館活動においてボランティアとして活躍していただく場を設けております。一例を申し上げますと、城南公民館の夏休みチャレンジひろば、上野が丘公民館のわいわい塾、川西公民館や武石公民館の通学合宿などは高校生や大学生が運営ボランティアとして活躍しておられます。どの事業につきましても、地域を学びながら多世代の交流が進むように取り組んでいただいているところでございます。
一方では、若者の公民館利用が少ないのも現実でありますので、若者のニーズを捉え、若者が参加しやすい日時に配慮した事業を開催するなど、公民館をより身近に感じていただくことで若者の居場所の選択肢の一つにつながるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

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