令和元年9月一般質問

 

上田市議会だより 第74号(令和元年9月定例会/令和元年11月16日発行) より

(議事録)

◆7番(齊藤加代美君) 通告に伴い大きく2件の質問をさせていただきます。
また、質問の前に、この7月、8月、この地域で大雨などによる被害に遭われた全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。
それでは、第1問に関係する内容から、ことしの3月に信州上田学について質問させていただきました。そして、5月からキックオフイベントに続き、月に1回ペースで上田未来会議が開催され、私も興味深く参加し、そのたびにともに参加者と考えるよき機会となっています。上田市長がおっしゃる上田のよさを語り、伝えることが重要であり、地域の自慢、そして外の方々から教えていただく卓越性、よそにないもの、すぐれているものを知ることでここに住んでいる誇り、シビックプライドが醸成されると実感しております。
そして、先日上田市商工会の皆さんと懇談会で、青年部工業会の皆様から、働き手不足を定義とし、若者が住みたいまち、住んでみたいまちづくりを進めていくための取り組みや環境の整備について質問をいただきました。さまざまな取り組みの中で私は信州上田学の理念を伝え、一度離れた若者もこの地域に誇りを感じていれば働き世代が戻ってくると期待しながら、就職促進の一面を担う信州上田学を紹介しましたが、多くの市民に浸透するのにはまだまだ時間がかかると実感いたしました。
実際各学校でも地域学を取り組んでおり、例をとれば、丸子中学校では生徒らの手で取材し、設問をつくった丸子検定が話題となりました。ことしの夏の丸子ドドンコでは、丸子中学校連160名が参加してくれ、昨年より2組多いにぎやかなお祭りとなりました。私の次男も参加し、子供たちの心に大きな思い出、記憶ができたことと思っています。学校ぐるみで教育の一環として取り組むこと、大いに期待ができ、学校、そして地域ぐるみで積極的にこの信州上田学を取り組んでいただきたいと期待しております。
また、5月10日に開催されたキックオフイベント信州上田学シンポジウムの基調講演「信州上田学(楽)~住みたい理由を言えるまちを創る~」、講演者の藻谷さんは、勉強することで住みたい理由を見つけ、地域を楽しんで暮らす人々をふやすことが大切、そして一方上田市の人口はゆっくりと減少が進み、とりわけゼロから4歳児の人口が大幅に減少しており、その対策が必要と課題をいただきました。子育て世代を支援し、出生率を上げるなど人口を減らさないために前向きであることが大切ということと私たち宿題をいただきました。
そこで、上田市のホームページのオープンデータを使い、零歳から4歳人口の5年の推移を調べてみました。市全体ではマイナス598名であり、地域別で見ると、旧上田市、増減率は89.8%、丸子地域91.2%、武石地域94.95%、そして驚いたことに真田地域は100.5%、2名子供がふえていました。特に増加している地域は上田城の西側、常磐城二丁目、上田駅周辺、天神一丁目、ゼロから4歳児の人口が4倍近くふえていることがわかりました。しっかりとした裏づけは調べ切っておりませんが、上田駅周辺にマンションが建設されたこともあり、住居環境が整ったかとも推測します。さらに、便利な市街地から中心から離れたほどよい田舎では、上田市舞田地区では170%、丸子西内167%、塩田十人は147%と、この数値から子供がふえた理由はきっとあるはずです。ぜひ子供がふえたこの根拠を調査していただき、これがこの理由、強みとなると考えております。
住む場所を選ぶ市民がいる、それは選んでもらうための地域をつくる、発信する、これが重要と考え、対策でもあります。藻谷さんからの宿題である子育て世代を支援し、出生率を上げるなど何かできることがあるのではないか、まずは市民の大事な接点である窓口の充実についてできることの一つとして、妊娠から切れ目のない丸子地域の子育て支援窓口体制についてお伺いいたします。
この9月に補正予算で丸子地域自治センター南棟の耐震化工事と建物内部の大規模改修への補正予算が4,066万円計上されました。この現状は、現在交通量の多い国道を挟んで丸子保健センターがあり、そこで母子手帳の発行など母子保健事業が行われ、丸子地域自治センターの市民サービス課では幼保入園、子ども手当等の手続があり、それぞれ建物が国道を挟み分散しております。大変利用しにくいと感じています。
そこで、より市民サービスの強化を目指し、市民目線での窓口業務として、この耐震工事、改修工事に合わせて、妊娠から切れ目のない子育て支援窓口体制の窓口一本化を考えられないか。特に保健師さんの活躍を期待し見解をお伺いし、第1問といたします。

○議長(小林隆利君) 竹花丸子地域自治センター長。
〔丸子地域自治センター長 竹花 国雄君登壇〕

◎丸子地域自治センター長(竹花国雄君) 丸子地域の子育て支援の窓口体制につきましては、従来丸子ふれあいステーションで一元的に行ってまいりましたが、合併後の組織変更等によりまして、現在では福祉担当子育て支援係2名で、主に児童手当等の各種申請の受け付け業務、家庭児童相談業務及び児童虐待対応等を子育て・子育ち支援課と連携しながら自治センター庁舎内で行っております。また、丸子地域健康支援担当係の保健師等が主に母子手帳の発行、乳幼児健診等母子保健業務を丸子ふれあいステーションの保健センターで行っております。
議員ご指摘のとおり、それぞれの業務を行っている施設は国道152号を挟んでおり、利用者が各種手続等を行う際には交通量の多い国道を渡らなくてはならないケースもあり、危険が伴い、利便性に欠けるとのご意見があることにつきましては、市としましても認識しているところでございます。このような状況において、現在丸子地域自治センターの庁舎耐震改修整備の設計が進む中、多くの市民が利用しております1階フロアに耐震壁ができることから、フロア全体の配置の見直しが必要となりました。子育て世代にとって妊娠から子育てまでの支援体制の充実は、少子化対策として大変有意義で重要な施策であると捉えておりますので、今後子育て世代のニーズを把握しながら、庁舎の耐震改修にあわせまして来庁者の動線を確保するための受け付け窓口等の再配置や、より一層の市民サービス向上に向けてどのような窓口体制が効果的か、庁内関係課と十分協議し、子育て支援の窓口一本化について検討してまいりたいと考えております。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) 前向きなご答弁をいただきました。どうか現場、そして市民の声を大切に、節目だけに立ち寄る庁舎ではなく、より市民が集いやすく、そしてそこがお気に入りの場所になるような、そんな事業計画、実施を進めてください。それがこの丸子地域の強みになると確信しています。
ちなみに、私も3カ所調べてみました。上田ではひとまちげんき・健康プラザうえだが開所し、妊娠期から子育て期まで窓口の一本化が実現し、上田市中央子育て支援センターの機能によってより安心できる市民サービスの向上につながったと思っています。武石も何度か答弁の中にありましたが、事業整備が始まり、住民が集う、出会いと協働の場を目指し、令和3年4月に開所予定で、総合センターの2階に武石健康センターも併設、担当者にお聞きすると、公民館の一部の貸し館ともなるので、乳児健診、高齢者健診、健康体操など予測するには健康寿命の延伸を軸とした窓口が一本化になるかと大変期待しております。
真田地域は行政機関が集積している敷地に自治センターの隣の公民館1階にある真田保健センターは、駐車場も広く、健診フロアは安心感があります。和室であり、入り口には相談しやすい長机が並んでおりました。安心した相談受け態勢が工夫をしていると大変感心いたしました。
上田市が合併して一くくりではなく、各地域、特に4地域の昔ながらの地域の特色を生かし、職員の個性も光る、そして窓口対応の向上、市民の心に寄り添った子育て支援が2人目もまた産みたい、出生率の向上につながるのではないかと確信しております。
それでは、次の質問に入らせていただきます。本議会初日、ごみ減量、再資源化に向けた取り組みについて、去る7月には上田市廃棄物処理審議会の部会として生ごみリサイクル研究委員会が発足し、今後生ごみ減量、再資源化のさらなる意識の醸成を図り、生ごみの有効利用に向けた仕組みづくりについて検討が始まったと土屋市長から報告がありました。広報の8月号では、表紙から含め5ページにわたるごみ減量化に向けた重要な目的、取り組み、私たちにできること、ごみダイエットなどキャッチも使った広報はとても目を引きました。前回も一般質問でこの市広報が届く自治会率の高い地域と低い地域ではごみの排出量が反比例しているとの指摘をさせていただきました。ぜひともこれらの重要な情報、市広報がより多くの方に届くように、引き続き自治会加入への努力の継続をお願いいたします。
また、携帯アプリ「さんあ~る」は大変便利であり、上田市からのお知らせも9月3日、インフォメーションにごみ減量化機器購入費補助制度の案内がありました。特に若者は広報紙面の媒体は見ませんが、スマホの情報は見る人も多いため、より小まめに情報を発信し続けてほしいと望みます。
それでは、第2問といたしまして、ごみ減量化機器購入費補助制度と生ごみリサイクル研究委員会についてお伺いいたします。今後ごみ減量のかなめとなる生ごみの減量化ですが、例えばエコクッキング、野菜の捨てる部分も料理にし、おいしく栄養になる、そして「残さず食べよう!30・10運動」などなど、日々の生活においての工夫がごみの減量につながります。この生ごみの減量化に向けたリサイクルシステム計画案を策定する委員会は大変重要な役割を担っております。
そこで、お伺いいたします。委員構成はどうでしょうか。どのような選定で委員が選定されたのでしょうか。そして、主な研究事項は何か。3点質問とさせていただきます。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) 生ごみリサイクル研究委員会についてご質問いただきました。
市では持続的な発展が可能となる循環型社会の形成を目指し、燃やせるごみの処理量を減らすことによって新たに建設を予定する資源循環型施設をできるだけコンパクトにして、施設周辺地域の環境負荷を低減するために、本年5月に上田市廃棄物処理審議会に生ごみリサイクルシステムの構築について諮問を申し上げました。7月には上田市廃棄物処理審議会での了承を経て、本審議会の部会として位置づける生ごみリサイクル研究委員会が設置され、生ごみリサイクルの具体的な計画案の策定について要請がなされたところであります。
研究委員会の委員構成につきましては、専門的な知見を有する学識者、生ごみの減量と堆肥化を実践している公募市民、ごみ減量アドバイザー、自治会代表者、農業者団体や認定農業者、事業系の生ごみの資源化に取り組む廃棄物処理事業者など、消費、排出、再生、利用という一連の循環をつなぐ主体となるさまざまな視点を持った12人の方へ委嘱しました。
続いて、本研究委員会での研究事項についてでありますが、市民一人一人が生ごみの減量、再資源化に理解を深め、実践を促す機運の醸成から、生ごみを資源として有効利用を図る仕組みづくりについて調査研究を行い、計画案の策定をお願いするものであります。具体的な審議はこれからとなりますが、市民一人一人が生ごみの発生や排出の抑制となる自己処理を市域全体の取り組みとして推進することを基本に、自己処理が困難な地域でも資源化に取り組めるよう、なるべく容易でコストと効果のバランスがとれ、農業分野などを起点にして、まちの活力増進につながる持続可能なリサイクル手法について検討していただきたいと考えております。
研究委員会はこれまでに2回開催し、上田市のごみ処理の現状や課題について理解を深めていただきながら、近隣の生ごみ堆肥化施設の視察も行いました。今後上田市に適した資源化の具体的な方策について検討を重ね、廃棄物処理審議会に計画案を報告する予定となっております。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。多方面にわたる委員の皆さんで構成されているということ、安心いたしました。
そして、市民の皆さんは自分ごとで考える、自力でできることをそれぞれ生活の中で工夫して実行されています。この活動の背中を押すため、この生ごみリサイクル研究委員会が出される計画案は大変市民、生活者から注目されています。大変重要な委員会です。この場をおかりして委員の皆さんにどうぞ深い研究をよろしくお願いしたいと私からお願い申し上げます。
次に、上田市では生ごみの処理等に関しての実態調査の把握のために、市内1,000人を対象にアンケート調査を行い、7月24日東信ジャーナルの記事で知りました。回答は4割の方があり、生ごみ堆肥化に関する設問では、全てリサイクルしているとの回答が11%、そして生ごみリサイクルの分別収集を行った場合、自己処理を続ける人を除いて7割余りが協力に前向きな回答だったそうです。アンケートの結果から生ごみリサイクルを行うための補助制度を強化することで自己処理率が向上すると考えます。補助の内容、そして利用の状況はどうでしょうか、伺います。
そして、7月31日に丸子で実施したサテライト市長室では、生ごみの自家処理で補助のメリットのある方法とそうでない方法があると指摘がありました。例えば、生ごみを微生物の力で堆肥化するEM菌バイオ資材は補助対象にならず、生ごみ堆肥化基材は無料で配布されている事実があり、聞き取りのときは容器には補助が出るが、資材は対象にならないという回答がありました。ここには食い違いが発生しております。よりごみの減量化を進めるために当たって、住んでいる地域によって庭とか畑があり、自己処理を進められる条件等も違いますが、生ごみの自己処理をさらに後押しするのには補助対象を広げるべきと考えますが、見解を伺います。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) ご質問のごみ減量化機器購入費補助制度につきましては、一般家庭での生ごみの自己処理を促進し、排出抑制することを目的に、生ごみを乾燥させる生ごみ処理機や、コンポストなどの生ごみ堆肥化容器の購入に係る経費の一部を補助する制度であります。現在の補助制度については、さらなるごみの減量を推進する目的から、平成27年度に補助率を従前の2分の1以内から5分の4以内に、また補助限度額は生ごみ処理機が3万円から5万円に、生ごみ堆肥化容器は3,000円から5,000円に拡充しております。
次に、平成30年度の補助金の利用実績は、生ごみ処理機が135基、生ごみ堆肥化容器が145基の合計280基でありまして、補助合計額は613万4,000円余となっております。これら2つの種類を合わせた処理機器の補助実績については、補助率等を引き上げた平成27年度には997基となり、前年度の167基から約6倍に急増いたしました。また、補助を拡充した平成27年度を起点に、その前後各3年間の補助合計基数を比較しますと、拡充前が687基、拡充後が945基と約4割ほど多くなっている状況であります。補助制度の拡充後の平成27年度から30年度までの4年間で約260トンの生ごみの排出抑制ができたものと推計しております。
今後もごみの減量に取り組む市民の裾野を広げるため、広報紙を初めさまざまな媒体を活用して生ごみの減量の意義についてさらに啓発を進めるとともに、補助制度についてもあわせて周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、ご質問のありましたEM菌による堆肥化につきましては、生ごみを堆肥化する際に必要な菌によりぼかしをつくり、密閉容器を使って堆肥化するものでありますが、現在の補助制度においてはEM菌を利用して堆肥化する容器については補助対象としておりますが、EM菌そのものについては補助対象とはしておりません。一方、ぱっくんでありますが、ぱっくんは、園芸用資材としてよく使われるピートモスともみ殻薫炭を混ぜ合わせたものでありまして、これを段ボールに敷き詰め、微生物の力で生ごみを堆肥化するものであります。ぱっくんはボランティア団体の皆さんにより製作され、使用上の説明や助言、または相談などの体制をとった上で無料配布しております。ぱっくんは、水分調整や異物混入、虫の発生予防などに一手間かかりますが、電力が不要で環境に優しいことなどからライフワークとして取り組む根強い多くの利用者がおりまして、年間700袋ほど利用されています。
市内各地域では生ごみの堆肥化などに取り組まれる団体の皆さんが日々活動しておられます。こうした活動は生ごみの自己処理方法の選択の幅を広げ、個人のライフスタイルに合った最適な自己処理を後押しすることにもつながるものと考えております。こうしたことから、生ごみの堆肥化に有用な菌であることや、使用方法や相談に応じる体制など、自立的で持続性のある連携可能な取り組みには市の支援について研究してまいりたいと考えております。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。補助を拡充することによって利用促進が図られたという答弁をいただきました。ぜひとも自己処理率を高めるためのさまざまな皆さんのアイデア、工夫を高めていただきながら、ごみの減量化ますます進めていただきたいと思います。
それでは、次の質問です。この7月に私の所属する新生会で政務活動費を使い香川県三豊市にある一般的な微生物を使って燃やせるごみを発酵、乾燥させて固形燃料の原料として商品化、RDFといいますが、ごみを固形燃料にする日本初の最新方式であるトンネルコンポスト方式を用いたバイオマス資源化センターみとよに先進地視察に行かせていただきました。本日議長の許可をいただきまして、バイオマス資源化センターみとよからいただきましたその固形燃料、石炭代替品を皆さんにお見せしたくお持ちいたしました。これが燃やせるごみを一般的にある菌を使いまして乾燥して、約17日間トンネルコンポストの中に入れまして、この形に製品化するのですが、大体四角くなりまして、見させてもらいまして、もう1つの会社を通してこういった石炭のような燃料になるものです。日本初のこのバイオマス資源化センター、運営の特徴は、市営ではなく、民設民営の廃棄物処理業、解体業を営む株式会社エコマスターでありました。
今までの燃やせるごみは、燃焼という固定概念を脱却いたしまして、50年後、100年後地域の環境を見据えた最新リサイクル技術には驚きを隠せませんでした。進化する時代の技術と地球環境の改善に柔軟に対応するそのかじ取りをするためには、市民のアイデア、そして企業の技術が必要なことも確信し、昔のその概念や常識は通用しないということも実感いたしました。どうかこのごみの減量化、そしてあわせてエネルギー回収の生ごみの資源化の一助になればと考え、先進事例を視察させていただきましたので、その報告をさせてください。
運営する株式会社エコマスター、梅田社長様はご挨拶をいただく中で、ISOの新規格SRF、有害物質を含まない廃棄物の燃料が多分再来年あたりISOが確立するとおっしゃっていました。容器包装リサイクル法において現在はパレット等の製品としてリサイクルされているプラスチックですが、甚大な世界の環境問題においてプラ成分もバイオプラスチック、生分解のプラスチックにかわっていく予測をし、リサイクル製品の強度の弱み等が出てくる、そうなるとプラごみは製品にかえていくのは難しく、最終的にこれからはリサイクル製品から燃料、エネルギー、発電等に変わっていくと予測する中、イタリアで見つけたこのコンポスト方式は国内の未来のごみ処理方法だと考え、信念を持って進めているとご挨拶をいただきました。
この施設の経緯と運営ですが、今までの焼却施設は平成24年末で30年の使用期限が来る中で、代替施設を研究していた中、合併後初代市長は、ごみを燃やさず、ごみは資源、新たな焼却施設は燃やさないという高い理念から、燃やさない処理方法でプロポーザルを全国で公募し、8社の応募があり、トンネルコンポストに決定いたしました。親会社2社から成る株式会社エコマスターに決定いたしました。この地場には株式会社エコマスターの親会社2社があります。その特徴は、一般廃棄物、食品リサイクル、微生物でごみを分解する、そしてもう一社は西日本で最大の廃棄物から燃料を製造する、この特色ある会社があったからこそにおいも余りしないこの固形燃料が製品化されました。
そして、何といっても製品がある、製品を使う出口がある、製品化された固形燃料を製紙工場で使うという出口があるという地域循環の実現のかなめになっているというのがその3社があったからだと思っています。
そして、市民合意として、1、市民のごみ分別は18分別は以前と全く変わっていない、そして三豊市の民設民営で2社が共同出資したエコマスターが担い、市にとって約16億円の施設整備費が負担はない、そして年間2億6,700万円で20年間の委託契約での運営、CO2の削減効果は年間6,500トン、約3,000人分の排出に削減ができる、環境アセスメントは1回限りで済み、年間を通じた実施は必要ないため、短期間で建設が可能であった、この5つが実現できた大きな要因であると考えています。
そして、梅田社長様は最後に、一般廃棄物処理に関する税金の負担、市民の負担は大変大きく、この新方式が全国に広まることにより管理運営コストが削減され、より必要とする教育支援等へ回すことができる、未来の子供のために推し進める大きな大切な事業であると力強く言ったことが心に強く残っております。
そこで、上田地域広域連合が進めている最重要課題、総合クリーンセンターの基本方針は、焼却方法、ストーカ炉、1日144トンの焼却処理能力、エネルギー回収は発電、余熱利用、周辺への熱供給等を計画していることを踏まえ、上田市に生かせる取り組みとして株式会社エコマスター様からご提案をいただいたことを含め質問に入らせていただきます。
焼却前の処理としてこのトンネルコンポストの活用をご提案いただきました。燃やせるごみの水分は半分とも言われています。このトンネルコンポストの焼却の前処理として1工程入れることによりごみの焼却の重量が半分になる、水分が半分になることでとても燃えやすくなる、今上田市が進めるごみ減量の一助になる提案です。そして、エネルギー回収に生ごみが資源となるということなのです。この提案に基づき、生ごみのリサイクルの一案として、焼却前にトンネルコンポストの方式の概念を採用すれば、燃やせるごみは目標値以上の減量、そしてエネルギー回収の良質な資源化が期待できることと考えます。生ごみリサイクル研究委員会で研究、検討課題として取り上げていただきたいと考えております。見解をお伺いいたします。
また、市民や市民で構成する多くの団体は、たくさんの考え、アイデアを実践し、行っております。この考えからもこの生ごみリサイクル研究委員会で取り入れることはできないでしょうか。この意見をどう議論にのせていただけるか、見解も伺いたいと思います。
これで私の最後の質問といたします。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) 香川県三豊市のごみ処理については、議員からのご案内のとおりでありますが、私からはその特徴について承知している範囲で概要を申し上げますと、ごみを焼却しないため焼却灰の発生がなく、埋め立てを要しないこと、民設民営の施設であるため、市は処理施設を抱えることなくごみ処理が可能となり、かかるコストも縮減されていること、生ごみ、プラごみを含めた可燃ごみはトンネルコンポスト方式によって発酵、乾燥処理され、そこで生成されたごみは固形燃料の原料として近くの製紙工場の熱源燃料として有償取引され、利用先が確保されていることなどが挙げられます。これらの焼却によらない処理方法、ごみ処理費の縮減、ごみから燃料資源の生成、生成された燃料資源の安定的な需要先という一連の関係が有機的に連携して成り立っていることが重要なポイントであります。
上田地域の資源循環型施設の建設に当たっては、ごみを燃やす前にごみの発生抑制、再利用、再生利用のスリーRを優先し、燃やせるごみの総量を減らして、施設周辺の環境負荷の低減を図ることが重要であります。とりわけスリーRのうち2R、発生抑制、再利用を優先する取り組みが必要であります。三豊市はごみは全て資源であるという基本的な考えを原点に、国内初となるリサイクル技術を導入したことに注目を集めていますが、大切なのは、地域の克服すべき本質的な課題を見きわめ、その解決に向けてごみ処理をまちづくりに生かすという明確な理念を掲げたことにあると考えております。
こうした先進地の考え方や理念を参考に、将来における市民への便益、技術的な信頼性、コストと効果のバランスなどについて総合的に検討して、上田市に適した処理方法による持続可能な生ごみリサイクルシステムを構築していくことが重要であると考えております。
次に、市民や市民で構成する団体等からの提案についての検討につきましては、パブリックコメントの実施のほか、事務局や生ごみリサイクル研究委員会、廃棄物処理審議会の委員を通じて提案をいただくなど、多様なチャンネルを使って市民意見をお聞きしたいと考えております。
いずれにしましても、生ごみの資源化には市民、事業者、行政にそれぞれ分別、収集、処理等で一定の負担が生じることから、市民の自主的な取り組みを促す上で市民本位の計画策定が何より機運の醸成や実践につながるものと考えておりますので、市民の意見やアイデアなどを計画づくりに生かしてまいりたいと考えております。
以上でございます。

令和元年9月一般質問通告

  • 市政についての質問
    • 妊娠から切れ目のない子育て支援の窓口体制について
      • 各地域の子育て支援の窓口体制はどうか。
      • 丸子地域自治センターの耐震工事に合わせて、妊娠から子育てまでの支援窓口を一本化すれば、切れ目のない子育て支援ができることから、市民サービスの強化や市民目線に立った対応にもつながると考えるが、丸子地域の支援窓口を一本化する考えはあるか。
  • ごみ減量化機器購入費補助制度と生ごみリサイクル研究委員会について
    • 委員構成はどうか
    • 主な研究事項は何か。
    • 市内の1,000人を対象に行ったアンケート調査では、4割の方から回答があり、生ごみ堆肥化に関する設問では、「全てリサイクルしている」との回答が11%余であった。アンケート結果から、「生ごみの自己処理を進めるには、生ごみリサイクルを行うための補助制度の強化が必要」と考えるが、補助金の利用状況はどうか。EM菌などを補助対象にしない理由は何か。また、生ごみの自己処理をさらに後押しするには補助対象を広げるべきと考えるが、見解はどうか。
    • 香川県三豊市では微生物が燃やせるごみを発酵、乾燥させ、石炭の代替品として固形燃料に加工するトンネルコンポスト方式を採用している。トンネルコンポスト方式を採用すれば、燃やせるごみは目標値以上の減量が期待できることから、生ごみリサイクル研究委員会で研究・検討すべきであると考えるが、見解はどうか。また、市民や市民で構成する団体等からの提案について、生ごみリサイクル研究委員会で研究・検討すべきと考えるが、見解はどうか。

 

令和元年6月一般質問通告

上田市議会だより第73号(令和元年6月定例会/令和元年8月16日発行)より

(議事録)

◆7番(齊藤加代美君) 皆様、おはようございます。通告に伴い令和最初の一般質問に入らせていただきます。
平成は自然災害の時代とも言われ、思ってもみぬ災難が続きました。地域では自治会の枠を超えた災害応援協定等が結ばれ、共助意識が高まっています。先日防災士の方の呼びかけで近くのレッドエリアを地域の皆さんと回り、松枯れ等で荒れている山林、砂防堰堤が土砂で詰まっている現実を直視し、自分たちで何ができるか考えたところでした。そして、昨年の夏は、人類への警告のように地球規模で熱波が襲い、酷暑、また昨年のようなことが起きると今から不安で仕方がありません。
そこで、猛暑対策についてお伺いします。まず、上田地域広域連合消防本部で昨年の実績を調べてみました。熱中症の疑いの緊急搬送状況は、一昨年比が約2倍で122件、全国平均より上田は8%高い状況でした。うち65歳以上の高齢者の率は約半分の64名、そのうち室内、自宅からの搬送は42名と約3分の2以上とわかりました。この結果からも、特に室内での高齢者の熱中症対策が重要だと思われます。
昨年の夏、私の所属する厚生委員会で世田谷区に視察に行った際、区役所で熱中症予防キャンペーンを実施しておりました。ロビーでうちわをいただき大変助かりました。また、暑い日に外出する際、公共施設などで気軽にお休みいただける場所を提供した「せたがや涼風マップ」の配布をしていました。その結果、お休みどころに出かけたことで人との触れ合い、コミュニティーが生まれたと相乗効果につながったと聞いております。このように公共施設が開放される安心感は安全にもつながります。世田谷のようなことを例にし、上田市独自の取り組みを期待することです。
そして、最も重要なことは、ご近所の声がけ、地域のコミュニティーです。ひとり暮らしのご年配の方にはインターネットで幾ら注意喚起しても届かない現実があります。直接の声がけが励みとなります。地域別で違いますが、有線やエリアトーク、そして電話一本でも安心、予防へとつながります。また、ひとり暮らしの高齢者などで希望するお宅には緊急通報装置が設置されていますが、緊急時の対応のほか、熱中症に関することを含め、体調や健康に関する相談や心配事に気軽に利用していたことも有効と思われます。
そこで、伺います。災害とも言われた昨年の猛暑を踏まえ、この夏特に独居高齢者に対して熱中症予防などの安全を確保するための取り組みを検討していますか。
私の第1問といたします。

○議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。
〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕

◎福祉部長(近藤聖一君) おはようございます。昨年は全国で記録的な猛暑となりましたが、本年も暑い日、涼しい日の差が極端で、不順な天候が続いています。高齢者の暑さ対策の質問ということでございます。
高齢者は体内の水分が不足しがちであること、暑さやのどの乾きを感じにくくなっていることなどから、体温調節機能が十分に発達していない乳幼児や子供とともに特に熱中症に注意が必要であると考えております。上田市のひとり暮らし高齢者の人数は、民生児童委員から提出いただきました「高齢者世帯・お一人暮らし台帳」によりますと、平成31年4月1日現在で約3,800人となっております。このほかにも家族の方が仕事で昼間は外出する、あるいは個別の事情があって台帳の提出にはご同意いただけない方もいらっしゃいます。そういったことで、気温が上昇する日中はひとりで過ごされている方もおいでになります。
市では市民の皆さんへの熱中症予防対策といたしまして、これまでも「広報うえだ」やホームページへの熱中症予防に関する情報の掲載、上田市メール配信サービスの生活安全情報のメニューとして高温注意情報の配信のほか、各種検診に来られた方への注意喚起、公共施設への啓発チラシの配置などを行ってまいりました。ひとり暮らしの方を含めた高齢者への熱中症予防対策につきましても、民生児童委員の皆様にご協力いただき、地域の高齢者のお宅を訪問し、熱中症予防の啓発チラシの配布や声かけを行っていただくなど、そのほかに高齢者の方が集まる地域サロン、あるいは地域リハビリテーションを開催する代表者の方に参加される皆さんへの啓発チラシの配布などをお願いしてまいりました。
議員からもご指摘のとおり、昨年上田市で熱中症の疑いで救急搬送された高齢者の方がいらっしゃいますが、その7割が屋外ではなく屋内から搬送されていると聞いております。屋外だけではなく、屋内においても小まめな水分補給やエアコンや扇風機の適切な利用など、熱中症に関する情報提供や予防に関する啓発を庁内関係課所とも連携しながら今後も引き続き行ってまいります。
要介護、要支援状態の高齢者の方など特に注意が必要と思われる方につきましては、ケアマネジャーを初め介護保険事業者、地域包括支援センターに対しまして、熱中症に関する情報提供や注意喚起などを行い、状況によっては直接対象者への情報提供や対応の依頼などを行うことにより、熱中症予防に取り組んでいるところでございます。
なお、熱中症に限らず高齢者の急病や事故などの緊急時の対応や安否確認、健康、生活相談に24時間応じることができる緊急通報装置につきましては、ひとり暮らしの高齢者の方、あるいは要介護認定を受けた方を含む高齢者のみの世帯など、希望される方に民生児童委員の皆様を通じてご申請をいただいているところでございます。平成30年度末現在約1,100台が設置されています。このうち約1,000台がひとり暮らしの高齢者の方となっております。緊急通報装置は緊急ボタンや相談ボタンを押すと受信センターにつながり、お話を伺った状況によっては救急車の要請を行ったり、安否確認センサーが設置されている場合には、長時間人の動きがない場合に自動で受信センターに通報される仕組みとなっております。
受信センターからは定期的に様子を伺うお伺い電話を差し上げており、その際通報のボタンを押す練習もしていただいております。平成30年5月から10月までの間に緊急通報装置の緊急ボタンが押され、熱中症の疑いで救急搬送された方が5人、お伺い電話を差し上げた際に熱中症が疑われたため、水分補給やエアコンの使用などの助言を行った方が4人、安否確認センサーが反応し、関係者に連絡を行い、病院受診の結果、入院となった方も1人おいでになりました。
このように緊急通報装置は高齢者の安全を確保するための有効な装置であると考えておりますので、緊急通報装置につきましても市民の皆様への周知に努めてまいります。
以上でございます。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきありがとうございました。
今おひとり暮らしのご高齢の方が約3,800人のうち、緊急通報装置がその1,000台、約4分の1という設置のことがわかりました。ぜひとも緊急通報装置の啓発をお願いし、設置を進めていただきたいと願います。
続きまして、上田市立産婦人科病院、以後病院と呼ばせていただきます、における周産期医療環境の充実についてお伺いいたします。病院の健全経営と最大の特色である「BFH認定赤ちゃんにやさしい病院」の現状について伺います。私は昨年6月の質問に続いてですが、またその間、その都度多くの議員の質問が繰り返されています。
まず、健全経営の視点から、一般会計から充当している収益的収入、周産期緊急対策補助金、これは主に医師報酬であり、3年間の推移を見ると、平成29年度7,600万円、平成30年度9,200万円、前年比20%増、さらに今年度予算ベース9,700万円、6%増で、3年間で1.27倍となっております。この要因は、本来なら3人の医師が必要な病院であるにもかかわらず、医師の定着が安定せず、2名体制から現在は1人の常勤医師、院長の体制です。その過重な労働を軽減するため、複数の非常勤医師のサポート体制により医師報酬が増額していると理解しています。常勤医師の確保は、県、国との連携強化、医局との枠組みがあり、課題は深く、容易なものではないと理解しています。大変努力されていることは理解しますが、改善が見られません。常勤医師の確保が急務です。
このように医師の出入りはとてもデリケートな産科、婦人科を受診する患者さんには不安につながり、公的病院の信頼性の低下、あわせてそこで働くスタッフのモチベーション向上のしにくさ、院内統制にも大変大きな影響が出るのではないかと大変懸念しております。
そこで、この近年の出産数だけを比較すると、平成27年からは地域の開業医の先生の閉院の影響もあり、増加はしていたものの、平成30年度は前年比498名から407名、91名減り、マイナス18%の実績です。また、信州上田医療センター、以後医療センターと呼ばせていただきます、ハイリスク分娩を担っていただき、周産期医療が確立しています。病院から医療センターへの3年間の紹介数は、平成28年57件、平成29年90件、平成30年97件と増加し、病院での分娩数が減る中、紹介数がふえていることもわかります。この現状の要因分析、今後の方針はスタッフ一丸となり検証することが必要ではないでしょうか。収益増にどうつなげていくか、公営企業会計としての経営の責任です。
昨年の9月の池上議員の一般質問での答弁に、地域周産期母子医療センター、これは医療センターのことですが、分娩数の増加に伴う助産師の確保にも苦慮され、地域周産期医療の安定的な提供を維持するために、市立産婦人科病院などとの役割分担を担う中で、さらに連携を深めていくことが必要であるという回答がありました。今後の課題解決の本筋になっていくのではないでしょうか。
そこで、伺います。1点目、現在の経営状況と今後の経営改善に向けた取り組みはどうか。
そして、2点目、私たちが求める助産師さんの活躍の中で、母乳ケアはとても重要です。その後のスムーズな子育てにつながる大切なことです。母乳外来も稼働し、他院からの受け入れも始めたとお聞きしました。これこそ病院の特色を生かした収益増に向けた事業でもあります。積極的な啓発をし、お母さんたちの不安を取り除き、安心した育児へと導いてほしい。そこで、母乳育児支援を特色としていますが、母乳率などの状況はどうか。
以上2点伺います。

○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。
〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕

◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、産婦人科病院の現在の経営状況と今後の経営改善に向けた取り組みについて申し上げます。
この地域の周産期医療を取り巻く環境でありますが、少子化による分娩取り扱い件数の状況や、産婦人科医師確保の問題、また周産期医療取り扱い施設の減少など厳しい状況が続いているものと受けとめております。平成24年度に市立産婦人科病院として移転新築いたしまして、新たな体制による周産期医療の提供体制を整備し、また平成26年度には信州上田医療センターの分娩取り扱いが再開に至ったことから、医療センターとの連携によるハイリスク分娩など、分娩取り扱いの役割を明確にした上で、地域の周産期医療を担う公立病院として安全で安心な医療の提供に努めてきたところでございます。
経営状況につきましては、地域の周産期取り扱い施設の減少によりまして、平成24年度では429件の分娩取り扱い件数が平成29年度では498件の取り扱いとなり、分娩取り扱い件数の増加によりまして一定の医業収益を確保してまいりましたが、医療スタッフ体制の確保や施設の維持管理経費の状況によりまして、新築移転後の決算では純損失を計上する年度が多い状況となっております。
このような経営状況におきまして、医療法による標準医師数3名を確保するために、常勤医師の代替として確保しております非常勤医師の報酬など、医業収益のみで賄うことができない経費、これらにつきましては、一般会計からの補助金を確保しながら経営を維持している状況にございます。昨年度は年度途中に常勤医師1名が退職となったことから、常勤医師1名と複数の非常勤医師による診療体制となりました。こうした中で、新たな分娩利用者をお断りすることなく医療の提供を行うための対策といたしまして、信州上田医療センターのご協力をいただきながら、リスクのある患者さんを早目にご紹介申し上げることで安全性の確保に努めてまいりましたが、結果といたしまして、平成30年度の分娩取り扱いの実績でありますが、大幅な減少となりました。このため、常勤医師の確保として、全国自治体病院協議会や県の医師確保対策室などへの直接の働きかけや、新たな勤務先を検討しておいでになる医師の情報を頂戴した中で直接的な交渉も進めてまいりましたが、現在常勤医師の確保には至っておらない状況にございます。
このような状況の中で、経営改善に向けた取り組みといたしましては、安定的な医業収益、これらを確保する面からも、常勤医師の確保が先決事項でありまして、関係機関の働きかけやつながりのある医師の皆さんへの相談などによりまして確保に引き続き努力してまいりたいと考えております。
あわせまして、病院の健全化を図るために経費の面では常勤医師の確保による非常勤医師の経費削減や、医療機器のライフサイクルコストの平準化に取り組むこと、また収益の面では、当院の利用者をふやすために、多様化する患者様のニーズに合った診療の充実に対する取り組み、これらを進めることが必要となります。診療の充実に対する取り組みといたしましては、妊娠初期から出産後の母乳相談及び産後鬱に対応する取り組みなど、一元化した医療サービスの提供を行えるよう医療知識や技術の向上に努め、「赤ちゃんとお母さんにやさしい病院」として職員が一丸となり、BFH認定病院という特徴を生かしながら、病院独自の創意工夫に取り組んでまいりたいと考えております。
市立産婦人科病院を利用してよかったと思っていただけるような医療提供、そしてそのことが利用者の増につながる、結果といたしまして医業収益の増加につながるのではないかというふうに考えております。引き続き地域で安心してお産ができる体制を維持するためにも、医師確保及び看護スタッフ等の確保に努めまして、信州上田医療センター及び関係機関からのご協力をいただきながら、安全で安心な地域医療体制の維持に努め、魅力ある病院づくりを進めてまいりたいというふうに考えております。
次に、母乳育児支援を特徴としている当院、母乳育児などの状況はどうかということでございます。WHO世界保健機関とユニセフが定めます「母乳育児を成功させるための10か条」、これに基づき母乳育児推進に取り組む病院である「赤ちゃんにやさしい病院」として認定を受けている周産期取り扱い施設は、直近のデータでございますが、全国で約2,200施設ございまして、このうち「赤ちゃんにやさしい病院」として認定を受けている病院は68施設でございます。なお、長野県内には市立産婦人科病院を含めまして2つの施設が認定を受けておりまして、母乳育児推進に取り組んでおります。BFHの認定後は、職員、病院スタッフが一丸となりまして母乳育児推進に取り組んでまいりましたが、出産後の母児の状態やスタッフ確保の問題等から一定の母乳率を維持することが困難な時期もございまして、平成25年度には認定が保留となる状況となりました。
具体的には、母乳率につきましては、BFHの認定を受けるための基準といたしまして、退院時の母乳率、これが85%から90%台を維持することとされておりますが、当院は平成25年度に認定保留となった際の退院時母乳率は72%という状況でございました。このため、院内に母乳育児を推進するための院内組織を設置いたしまして、その取り組みを強化してまいりました。具体的には、日々の取り組みといたしまして、朝礼で全スタッフによる10か条の唱和を実施し、院内スタッフによる定期的な母乳育児推進の研究や医師による実務研修の実施、及び職員相互の学習会を開催いたしまして、スタッフの知識、そして技術の向上に取り組むとともに、また出産後のお母さんの状態に合わせた支援を行うため、医師及び看護スタッフによる個別のカンファレンスを日々実施いたしまして、よりきめ細かな母乳育児の指導に取り組んでまいりました。こうした取り組みから、当院は平成25年度より保留となっておりましたBFH認定施設の取り扱いが平成30年度で認定保留を解除することができた状況となりました。
一方、全ての母子の皆様が母乳育児を希望されているという状況にない現実もございます。このため、お母さん方のそれぞれのニーズを的確を把握した上で、指導的に母乳育児を進めるのではなく、母乳育児のメリットを伝え、理解を深める手法により支援に取り組んでおります。身体的な問題や母乳育児を望まれない方には、母乳に対する負担感を持たない子育てが始められるよう、個々の状況に適した支援対応を行っております。
今後も産婦人科病院の大きな特徴でございますBFH認定を維持し、病院の基本方針であります「赤ちゃんとお母さんにやさしい病院」として、魅力ある病院づくり、これに向けましてスタッフ一丸で取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。ありがとうございました。
2,200施設のうち68施設と、「赤ちゃんにやさしい病院」は大変特徴的な上田でも貴重な施設です。先ほどご答弁でもいただきました母乳率が72%に低下ということもありますので、ぜひとも母乳ケア等にも力を入れていただき、ぜひお母さんに寄り添い、そして患者様とのコミュニケーションを丁寧に、ぜひとも経営改善に取り組んでいただきたいと願います。
次の質問に移ります。1つの参考事例として、年間100名以上のお産を担う助産所とうみでは、先月10周年を迎え、「ありがとう助産所とうみ」のイベントをお母さん方が主催し、活発な、自発的なサークルも立ち上がり、多くの親子のよりどころになっています。病院では昨年クリスマスコンサート、6月3日は赤ちゃん同窓会があり、私も参加いたしました。特に同窓会の参加人数は少なかったものの、頼りになる医療スタッフからの温かい励まし、そしてお母さんたちの交流もあり、子育ての活力になると感じました。しかし、感染が怖いため本当に限られた期間しか開催できないとスタッフの悩みもあり、だったら病院から場所を変えたらどうかとも提案いたします。
そこで、お伺いします。平成30年度6月定例会の一般質問で、市内の母乳育児グループは活動休止状態であるとの答弁がありましたが、現在の状況はどうか、またグループへの活動支援についてはどのように考えているか、お伺いします。
続きまして、病院新改革プランの点検、評価の報告を受けての今後の対応について続けて質問させていただきます。地域医療構想では周産期医療について明確な方向性は示されていません。ガイドラインの目的に沿う医療を見据えた地域周産期医療環境を、つまり市民の命の安全確保のために周産期医療体制をどう推し進めるか、残り1年半の中で目標達成に至るまでの逆算した方策を示すべきときであります。ここまで整ってきた助産の体制を後戻りさせないためにも、地域の産婦人科機関、医療センターとの今後の連携強化を視野に入れて、運営形態の検討は急務だと感じています。上小地域の中核を担う上田市の姿勢も問われているときではないでしょうか。
そこで、伺います。2020年度末までの計画期間の中で、病院の健全経営と医師の確保、周産期医療の充実を図るための考え方と見通しはどうか、2点お伺いいたします。

○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。
〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕

◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、市内の母乳育児グループの活動支援についてご答弁申し上げます。市内に母乳育児グループは1グループございますが、現在も休止の状況にございます。市民の皆様が主体的に母乳育児サークルを組織され、産婦人科病院をご利用された方々が主体となり構成された団体が今の母乳育児グループでありますけれども、これらの団体の皆様は病院のさまざまな活動に対するサポートやイベントの開催、あるいは分娩後のお母さん方の子育てに関するさまざまな悩みや相談、情報の共有といった受け皿的な存在意義を持つグループであると考えております。このため、育児グループの活動の再開や活性化を進めるために、病院で開催いたしますイベントの情報提供や積極的なその参加を促すことなどが活動の再開や新たなグループづくりにもつながり、活動の支援にもつながっていくものと考えております。
この取り組みの一つといたしまして、産婦人科病院で出産された方々を対象とした赤ちゃん同窓会を昨年度は3回開催し、母児の交流を図ってまいりましたが、季節によりましては院内の感染防止対策により開催ができない場合もございまして、少数の参加状況となった回もございます。現時点では育児サークルの発展につながる活動に直接的にまだ至っていないと、こんなふうに受けとめをいたしております。こうした中で、今年度は例年開催しております赤ちゃん同窓会以外に、大勢の皆様が参加しやすく、母児の交流の機会となるミニコンサート等のイベントを開催しておりまして、育児グループへの情報提供を実施しながら、活動の活性化にさらに取り組んでまいりたいと考えてございます。
ご質問にもございましたとおり、定期的な開催による参加しやすい環境づくりができるよう、開催時期や実施場所につきましては、皆様方のご意見、お声をお聞きしながら今後検討してまいりたいと考えております。
次に、2020年度末までの計画期間となります新病院改革プランでの病院の健全経営と医師の確保、周産期医療の充実を図るための考え、その見通しについてでありますが、現在地域内の周産期医療取り扱い施設でありますが、信州上田医療センター、助産所とうみ、民間1施設、そして当院の4施設となっております。こうした中で当院といたしましては、平成24年度及び29年度に経営健全化に向けて分娩料金の改定を行いまして、医業収益の確保を図ったところでもございます。また、医師及び看護スタッフの確保に努めるとともに、信州上田医療センターの産科、小児科、検査科との連携を図りまして、持続可能な経営及び地域の周産期医療の維持にも努めてきたところでございます。平成28年度に策定いたしました産婦人科病院新改革プランにおきましては、4つの基本目標を掲げ、さらに4つの柱を基本として、2020年度、令和2年度までの収支黒字化を目指すものとしており、この計画期間中は年度ごとの運営及び決算状況につきまして、目標値等に対する点検、評価を実施した上で、公表いたしております。
現状では常勤医師の確保が大変厳しい状況にあり、市立産婦人科病院としては、現行の体制の中で利用者の皆さんにご不便をおかけすることなく安全で安心な医療の提供を行うことを最優先に取り組んでおりますことから、医療機能のさらなる充実に対する取り組みにつきましては、いまだ具体的な対応としての部分に立っていない部分もございます。議員のご質問にもございましたとおり、新改革プランの計画期間は、先ほど申し上げました令和2年度末までとなりますことから、現状の改革、改善を図る中、目標達成の取り組みを進めるためには、引き続き最優先事項として取り組んでおります常勤医師の確保に努力を重ねてまいりたいと考えております。
また、BFH認定病院でありますことから、特色のある医療を提供している病院として、母乳育児の推進や母乳相談外来及び産後ケアの充実に取り組むことで、先ほど申し上げました利用者から選ばれる病院づくりを進めてまいりたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、市といたしましては、この地域のお産が正常分娩からリスクを伴う分娩に至るまで、おおむねこの地域内で対応できる、そのための安定的な周産期医療体制の構築が必要であると考えておりまして、引き続き産婦人科病院の経営の安定化に取り組みながら、新改革プランに掲げる病院の経営形態の見直しなどにつきましては、今後の出産数、分娩数の状況や医師、医療スタッフの確保状況、また今後の地域の周産期医療体制などの状況を考慮しながら対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。市民の命の安全確保のために地域周産期医療の環境の充実、体制をどう推し進めるか、ぜひ急務に検討お願いいたします。そして、あわせて特色を生かした産婦人科病院で産んでよかったというファンをますますふやしてほしい、そう願うばかりです。
次の質問です。東京オリンピック・パラリンピックに向けた誘客とテレワーク誘致についてお伺いいたします。2020年までにと合い言葉になっているほど大きなチャンスがやってくるまで400日を切りました。平成30年3月に2020年に向けてのインバウンド対策についての質問があり、信州上田観光協会を中心に、上田らしさを生かした観光地の魅力を独自のメニューとして開発し、積極的に売り出すとの回答がありました。あれから1年、パンフレットの多言語、事業者はワイファイインフラ、キャッシュレス化の整備など、負担荷重は大きくなり、だからこそ官民一体となりこのチャンスを生かし、上田の魅力を発信、もうかる観光、お金を使いたくなる魅力ある滞在型プログラムを企画する、最善の努力をしていただきたいと願います。今こそ信州上田観光協会が束ね役となり、リーダーシップをとるときでございます。開催期間中、首都圏の宿泊先は飽和状態と予測される中、上田の利便性を生かした宿泊先等の受け入れ態勢と移動手段の充実整備は急務です。また、上田に来てもらうための理由をつくる、そのコンテンツとして1998年の長野冬季オリンピックの閉会式では、別所温泉の岳の幟、丸子三龍地蔵会、龍神お練り、太鼓など出演いたしました。この伝統芸能の特徴を生かした機運の醸成は可能ではないでしょうか。
そこで、伺います。上田らしさを打ち出した誘客対策として重点的に取り組んでいる施策は何か。
続けて、テレワーク誘致についてお伺いいたします。オリンピック・パラリンピック、都内の交通混雑の緩和への総力目標は交通量2割から3割の抑制を挙げ、開催期間中のテレワークの推進を全国で呼びかけております。軽井沢では昨年いち早く軽井沢リゾートテレワーク協会が立ち上がりました。上田でもぜひこのチャンスを逃がさず、テレワーク推進に上田の特徴を組み合わせ発信し、推進を期待しております。
上田の特徴といったら温泉、この温泉を生かした温泉リゾートテレワークの展開にも期待いたします。軽井沢の仲間からも温泉は強みだと背中を押されました。最近は働き方改革の中、次々と既成概念を打ち破った驚く新しい仕事のスタイルが登場してきています。このごろは大企業のゆこゆこホールディングスが大分温泉地でテレワーク制度を導入いたしました。昨年のコワーキングスペースつきの温泉施設、松代のコトリの湯の登場には意外性が高く、大変私も驚きました。現在米国での増加中の仕事をしながら、場所はリゾートなどに行き、バケーションをとりながら働くといったワーケーション、この普及に長野県と和歌山県はワーケーション自治体協議会の設立に向けて動き出した報道も耳にいたしました。このようなアイデアを参考にして、今ある公共施設の利活用として、上田リサーチパーク技術研修センター、マルチメディア情報センターの活用、公共日帰り温泉、宿泊施設の積極的な活用などを期待いたします。
そこで、伺います。国などでは東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中のテレワークを推進しており、県内の自治体ではワークスペースの提供など協力する動きがありますが、上田市では取り組みを検討しているか、以上2点伺い、最後の質問といたします。

○議長(小林隆利君) 大矢商工観光部長。
〔商工観光部長 大矢 義博君登壇〕

◎商工観光部長(大矢義博君) 東京オリンピック・パラリンピックに向けた誘客対策についてご質問いただきました。
市といたしましても、本年のラグビーワールドカップとあわせ2020年の東京オリンピック・パラリンピックを外国人の誘客を進める絶好の機会と捉えておりまして、一般社団法人信州上田観光協会を中心に、海外プロモーション事業を初め商談会、メディア関係者及び旅行事業者招聘事業、訪日外国人向けフリーペーパーへの情報掲載等積極的な取り組みを進めているところでございます。こうした取り組みの結果、当市への外国人観光客数につきましては徐々に増加してきていると捉えております。
しかしながら、軽井沢町、松本市、長野市など県内のインバウンド先進自治体と比較しますと、当市への入り込みは依然少ない状況でございます。こうした中、昨今の外国人観光客の旅行形態を見ますと、比較的長期の滞在で、行動範囲が拡大している傾向にありますことから、これらの先進自治体との広域的な回遊を見据えた観光ルートを造成し、当市へ呼び込む仕掛けが必要であると考えております。このため、軽井沢町から長野市までのしなの鉄道を軸にした周遊ルート、また上田松本定期観光バスを活用した松本城や上高地からのルート造成など、それぞれの自治体と連携した取り組みに力を入れております。また、昨年度は台湾のメディア関係者や旅行事業者を招いて市内の観光資源を取材するファムトリップ事業を実施いたしまして、上田城跡公園、柳町、別所温泉、鹿教湯温泉、美ヶ原高原等の観光地を案内いたしまして、さらに菅平高原のスノーキャット乗車体験やスノードライブ体験など、自然を楽しんでいただくメニューを紹介いたしました。
このように、これまでは高原、温泉地、寺社仏閣、食文化など当市の代表的な観光資源を中心にPRを行ってまいりましたが、今後一層の外国人誘客に向けまして、地域の伝統文化やありのままの自然、こういったものを楽しむ体験型のコト消費や、アニメや忍者など人気のあるコンテンツをインバウンド向けの新たな観光資源としてブラッシュアップすることが求められていると考えております。昨年のシンガポールで開催された「アニメ・フェスティバル・アジア」では「サマーウォーズの里・上田」の魅力を発信してまいりました。また、本年9月には当市で国際忍者学会が開催されることが決定しており、中国を初め海外からの参加者が当市を訪れるとお聞きしております。学会では市民団体の皆様のご協力により忍者衣装体験や手裏剣打ち体験等を計画しており、こうした民間との協働によるおもてなしを当市ならではのコンテンツとしてアピールしてまいりたいと考えております。
さらには、太郎山登山競走に代表されるスカイランニングに注目が集まっております。大会には海外の参加者を含め市内外から多くの方々が参加しております。市街地から短時間で里山を楽しめる当市の新しい体験型のスポーツツーリズムとして今後も積極的に発信し、こうしたすばらしい資源を活用するインバウンドを推進してまいります。
続きまして、テレワーク誘致についてご答弁申し上げます。国においては2020年の東京オリンピックにおける混雑回避の切り札として、オリンピック開会式が行われる7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけ、企業等による全国一斉のテレワーク実施を呼びかける取り組みを行っております。市におきましては、「テレワーク・デイズ2019」に向け、ワークスペースを提供する応援団体としての登録を検討しておりまして、ことしの参加団体や2020年の東京オリンピック本番にテレワークを予定する企業に対し、市内の民間シェアオフィスや技術研修センター等の公共施設の利用をPRしてまいりたいと考えております。
一方、長野県におきましては、首都圏のIT企業をターゲットとして、移住やテレワークを体験する「おためしナガノ」の事業を実施しております。市はこの事業に参加いたしまして、毎年1名から2名の方に市内の民間シェアオフィスを利用いただいております。
こうした状況を踏まえ、市におきましては、地方における子育てや介護における離職の回避、企業のワークライフバランスの取り組みや多様な働き方を推進するため、テレワークの形態の一つであるサテライトオフィス誘致に取り組むこととし、今議会にも予算を計上させていただいておりますが、サテライトオフィスの開設経費に対する助成制度を創設することといたしました。
また、県では今年度旅先などで休暇と仕事を両立させる働き方であるワーケーションの普及を目指すワーケーション自治体協議会を発足させる動きを進めております。このワーケーションにより、地域への訪問、滞在がふえ、交流の活性化が期待されますので、市といたしましても積極的に参画してまいりたいと考えております。
以上でございます。

令和元年6月一般質問通告内容

  • 市政について
  •  猛暑対策について
    • 災害ともいわれた昨年の猛暑を踏まえ、この夏、特に独居高齢者に対して熱中症予防などの安全を確保するための取り組みを検討しているか。

 

  • 上田市立産婦人科病院における周産期医療環境の充実について
    • 上田市立産婦人科病院の健全経営と最大の特色である「BFH認定赤ちゃんにやさしい病院」の現状について
      • 現在の経営状況と今後の経営改善に向けた取り組みはどうか。
      • 母乳育児支援を特色としているが、母乳率などの状況はどうか。
      • 平成30年6月定例会の一般質問では、市内の母乳育児グループは活動休止状態であるとの答弁があったが、現在の状況はどうか。また、グループへの活動支援については、どのように考えているか。
    • 上田市立産婦人科病院新改革プラン点検・評価の報告を受けての今後の対応について
      • 2020年度末までの計画期間の中で、病院の健全経営と医師の確保、周産期医療の充実を図るための考え方と見通しはどうか。

 

  • 東京オリンピック・パラリンピックに向けた誘客とテレワーク誘致について
    • 上田らしさを打ち出した誘客対策として、重点的に取り組んでいる施策は何か。
    • 国などでは東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中のテレワークを推奨しており、県内の自治体ではワークスペースの提供などに協力する動きがあるが、上田市では取り組みを検討しているか。

平成31年3月一般質問

第71号(平成30年12月定例会/平成31年2月1日発行)より

[主題]市政について

○議長(小林隆利君) 次に、質問第6号、市政について、齊藤加代美議員の質問を許します。齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登

◆7番(齊藤加代美君) 本日最後の一般質問となります。長時間となりますが、45分間よろしくおつき合いください。
それでは、前回の12月の一般質問に続きごみの分別の実態と解決策について、通告に伴い質問をさせていただきます。いまだに続くごみのルール違反、特にプラマークつきプラスチックごみ、以後プラごみと呼ばせていただきます。ひどい汚れやペットボトルの混入、二重袋などが引き続き多い状態、3つの中間業者に伺い、大変な手作業の分別を見させていただくと、若干2カ月前よりは二重袋が改善されたようにも感じましたが、全体的には改善は余り進んでいなく、ひどくなっていることもあると現場の声もお聞きしています。もちろん地区によって明らかにごみの状態が違いました。現在年1回の抜き取り検査判定が最も低いDランクであり、品質改善がされないとリサイクルが困難となり、家庭からプラごみの回収ができなくなる、そんな事態が続いています。至急改善が求められている、そんなさなか、燃やせないごみにカセットボンベの缶の混入と見られ、パッカー車の車両火災が昨年暮れから2件相次ぎました。要因は、収集時の圧縮をかける際、金属の摩擦が火花となり、ボンベやスプレーの缶のガスなどに引火したのではないかと、消防車の出動は過去10年で3件のうち2件集中的であったと消防本部の回答でした。
しかし、実際は消防出動がないだけで、車両火災はあるとのことで、伺った丸子の中間業者は燃えないごみの収集はパッカー車の回収は大変危険と、荷積みで囲いのあるトラックを購入し、圧縮せず直荷で収集をしていました。燃やせないごみの実態を見ると、ライター、カセットボンベ、スプレー缶など産業廃棄物のプロパンガスボンベなど驚くものばかり、これは命がけのごみ収集、これらは排出者私たちの市民のモラルの問題でもあり、ごみの分別の徹底は上田市の総力を今試されているときでもあります。
そこで、伺います。この3カ月間、12月定例会以降に強化して実施した対策は何か、1月に実施した実地調査の結果から判明した解決すべき課題は何か、2点伺います。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) ごみの分別推進対策についてご質問をいただきました。
初めに、ごみ分別の実態についてであります。昨年5月に実施された緑字の指定袋のプラマークつきプラスチックごみの内容物検査において、かみそりなどのプラマークがついていないプラスチック製品や、汚れたままのプラごみの混入が多くあり、容器包装リサイクル協会から再商品化に適さないとの指摘を受けたことから、市では広報などで数回にわたり市民の皆さんに適正分別に向けた啓発を行ってまいりました。ことし1月に実施された品質再検査においては、プラごみの選別などを行う中間処理業者の自社努力により不適物を排除する作業員を増員したため再商品化に適さないという指摘はなかったものの、ごみ収集委託業者や中間処理業者からはまだ不適物が多く含まれていると報告がされております。
また、昨年12月とことし1月には不燃ごみの収集作業をしていたごみ収集のパッカー車から出火する事故が連続して発生しました。この2件とも燃やせないごみの中にスプレー缶が混入していたことが出火原因となった可能性が高いとされております。使用済みのスプレー缶やカセットボンベは危険ごみとして自治会資源物回収所またはウイークエンドリサイクルの際に出していただくようお願いしております。
ご質問の昨年12月定例会以降強化した対策でありますが、市ホームページやごみ分別アプリ「さんあーる」のインフォメーションにおいて分別の適正化について改めてお願いするとともに、「広報うえだ」及び「環境うえだ」ではそれぞれ先月2月16日号において特集記事を組み、プラマークつきのプラスチックごみの出し方、スプレー缶の出し方について分別の徹底をお願いしたところでございます。また、ことし1月から2月にかけて市内4地域において開催された自治会の衛生部長の皆さんなどを対象とした会議においても、各指定袋に正しく分別して出していただくこと、また自治会名及び氏名を記入していただくことなどについて周知させていただいたところでございます。
次に、ごみ集積所の実地調査についてでありますが、ごみの排出状況の変化を確認するために、重点的取り組みとしているプラマークつきプラスチックごみ及び燃やせないごみについて昨年5月から6月に調査した中心市街地地区で再度昨年12月からことしの1月にかけて収集前の時間に集積所の実態調査を実施しました。その結果、プラマークつきプラスチックごみの分別については適正化が進んでいると判断できる集積所もありましたが、依然としてペットボトルの混入や二重袋での排出があり、また燃やせないごみの中に資源物の缶や瓶、危険ごみのスプレー缶や電池が混入している事例が見受けられました。また、集積所に出されるごみのうち分別されていないなどのルール違反ごみに対しては、収集委託業者に違反ステッカーの張りつけ及び違反報告書の提出をお願いしておりますが、報告件数などから分別の適正化が進んだとは言えない状況であります。
これらの結果から、ごみの分別適正化の推進のためには市民一人一人の継続した取り組みが必要であり、これからも啓発活動の継続や自治会の協力をいただきながら、違反ごみ排出者に対する改善依頼及び指導を行ってまいりたいと考えております。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。ターゲットを決めての調査は大変高く評価いたします。3カ月しかないではなく、3カ月もあるという意識で緊急性を持って時間軸で推し進めていただくことを心から強く要望いたします。
それでは、次の質問です。自治会でもこの問題を真摯に受けとめ、活動を強化してくれています。自治会長さんの悩みは違反ごみ、無記名である場合が大変多く、注意に行こうとしても排出者の特定ができないという大きな悩みがあります。あわせて自治会に加入していないと広報も届かず、情報すら届かないという切実な問題、そこで自治会の加入率とごみの分別の関係性の実態を調べてみました。平成29年ごみ処理の実績から地域別1人当たりの1日の容器プラのごみの量が武石地域は32グラム、それに比べて上田地域は4割多い45グラム、自治会加入率は、武石地域は最も高い98.3%、旧上田市は最も低い86.4%、この数値はどうお考えになるでしょうか。資源ごみの量も明らかで、武石地域は上田地域を1とすると1.5倍、武石は113グラム、上田は75グラムと1日の資源ごみの量が明らかとなっております。自治会加入率が高いほどごみの分別が徹底しているとこの数値からうかがわれます。旧上田市内は20人に3人ほど広報等の情報が届かない現実もあり、これらから違反ごみと自治会未加入の関係性があると私は強く推測しています。
また、外国籍市民の方に暮らしの悩みをお聞きすると、1に言語、2にごみの分別であることを知りました。2月末の市長との懇談会でもたくさんのごみ集積所の戸惑いや、きちんと教えてもらえれば外国人もルールを覚えてきちんと出すとコメントが信濃毎日新聞の記事に載っておりました。やはり丁寧な情報の伝達が不足しているのです。
そこで、質問いたします。自治会未加入の方と外国籍市民への周知はどのようにしていますか。
2つ目、都内では自治会に加入していないとごみ集積所が利用できない等の規制がある場合がありますが、上田地域では自治会未加入者がごみを出す際の制限はあるか、この2点質問とさせていただきます。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) 自治会未加入者や外国籍市民に対する周知方法についてのご質問であります。
自治会未加入者への啓発等の周知については、ホームページやごみ分別アプリ「さんあーる」などの媒体を通じて周知を行うことで広く情報が届くように努めております。しかしながら、インターネットやごみ分別アプリについてはご本人が興味を持たないと該当するページを開いていただけなかったり、アプリをインストールしていただけないことから、より多くの市民の方にアクセスしていただくよう、記事内容、広報手段などを工夫してまいります。
なお、ことし1月24日に上田市、自治会連合会及び不動産関係団体との3者による上田市における自治会への加入促進に関する協定が締結されており、自治会加入率向上に向けたさらなる取り組みが開始されております。今後これら関係者のご協力をいただきながら、ごみの適正排出についても自治会未加入者への周知啓発を図ってまいりたいと考えております。
次に、外国籍市民に対する周知方法についてでありますが、新たに上田市に転入される方に対しては、市民課及び各地域自治センター窓口で「ごみの出し方」及び「ごみの分別帳」をお渡ししております。「ごみの出し方」は、英語、ポルトガル語、中国語など合計8カ国語の外国語版を作成しており、上田市のルールに沿ったごみの分別及び氏名の記入などをお願いしております。今後においては、外国籍市民を多く雇用している企業等に向けてごみの出し方の出前講座をお願いしていく計画であります。
次に、自治会未加入者がごみを出す際の制限はあるかのご質問でありますが、自治会で管理している集積所を利用する場合には、清掃当番など地域でルールを決めていただき、利用者の皆さんが協力して管理できるようにお願いしております。このことから、自治会未加入者が自治会のごみ集積所を利用する条件として、自治会と話し合いを持って集積所の清掃作業への参加など集積所の管理について協力をしていただくことが必要であると説明させていただいております。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。自治会加入が促進することを心から願い、また出前講座等アイデアを凝らし、より一層推進も進めていただきたいと思います。
次の質問です。プラごみ、容器包装リサイクル法に基づいた分別強化が強まると行き場のないごみや迷いごみが多くなり、特に赤袋のごみの増加、質の悪化を心配していましたが、その予測は当たりました。燃やせないこの赤袋は、同じく手仕事で分別し、大変な作業をしてくれています。現状をもっと知りたく、ごみ減量アドバイザー企画運営の「聞いて・〇得・エコ講座」の連続講座にも参加し、エシカル消費も勉強しながら、市民、そして中間業者の皆さんの意見をお聞きしました。決まりばかりに押し込む強化ばかりでなく、高齢者やごみ排出困難者たちに対しても易しく分別できる手法、環境に優しい方法を取り入れることはできないだろうか、皆さん本当に真剣に考えています。
解決策の参考までにお隣の東御市では、地区によっては差がありますが、同じプラマークつきでも2種類の方法の収集をしています。1つ、プラマークがありきれいなものの袋、2つ、プラマークがあり汚れの落ちないものの袋、この汚れのあるものについては、サーマルリサイクル、これは燃焼の際に発生する熱エネルギーを再利用とするリサイクル法です。これらを参考に判断が難しいごみ、例えば汚れの落ちないプラごみなどを入れる袋の導入を考えることはありますか。
以上、質問といたします。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) 現在のごみの分別方法については、合併後の平成20年4月から統一して実施してまいりました。市民からのごみの分別方法についての問い合わせでは、特にプラマークつきプラスチックごみの分別についてのご質問や、高齢者世帯が増加しており、ごみ出しの段階で迷われているという相談もありますが、ごみの分別について市民の皆様にはおおむね定着してきていると考えております。
ご提案の判断が難しい際に利用できる袋の導入については、収集後のごみを委託業者が手作業などで分別する作業負担が別工程としてふえること、また新たな財政負担の増加の面などから導入の予定はございませんが、これからもごみの分別方法についてわかりやすい情報の提供に努めてまいります。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。通告外の汚れの落ちないプラごみなどを入れる袋、追記した質問とさせていただきましたので再質問等はできませんが、市長施政方針にあった研究委員会では、生ごみリサイクルシステムに加えてこれらの課題もぜひ盛り込んでいただき、生活者視点から、そして各地域からの市民、そして処理業者、行政、その3者で話し合いがなされることを心より祈り、よりよい解決策が早急に生まれることを期待しております。
続いて、ごみの効率的な周知強化について伺います。現状と解決策を呼びかけるに当たり、自治会に入っていない方にも情報を届けるには、そこで有料ごみの動線を考えました。私たちはごみ袋は必ず商店で購入します。排出はごみ集積所です。
そこで、伺います。ごみ有料指定袋を扱う商店に協力をしていただき、商店とごみ集積所の双方、ごみ袋の入りと出、ここにごみの排出が緊急事態になっていることの警告や、ごみ分別アプリ「さんあーる」のQRコードを掲示することで多くの方が情報を入手しやすくなると考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。
あわせて急務を有する事態であります。人海戦術として上田市役所職員の活躍に大変期待をいたします。まずは一人一人ごみの知識を高めていただき、小さな小さな啓発活動からでも構いません。職員数1,213名、嘱託131名、臨時、パート1,250名、計2,594名のプチごみアドバイザーが誕生します。これは大きな力となります。平成8年、ごみ袋の有料化の際、職員のすばらしい協力体制が大きな成果につながったと聞いています。とにかくやれることからこつこつと、また前回の質問でも同様な提案をいたしました。小中学校での上田のごみ、環境問題出前講座を考えられないでしょうか。各家庭での家族の会話やつながり、一人でも多くの市民の方にごみ問題に対する意識を高めるために子供の力をかりるのです。
そこで、あわせて質問です。2つ目、市職員の人海戦術によるごみ啓発推進活動を行ってはいかがでしょうか。
3つ目、小中学校に出向き、上田ごみ出前講座を行う考えはありますか。
以上3つ質問とさせていただきます。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) 市内のごみ指定袋の取扱店は平成31年2月末で約250店舗であります。議員ご提案のごみ分別の効果的な周知強化については、ごみ指定袋の購入時に啓発内容が届くよう、ごみ指定袋販売店に分別適正化のお願いやごみ分別アプリ「さんあーる」の広報記事等のお知らせを掲示していくことを検討したいと考えております。
また、ごみ集積所における啓発についてですが、平成28年度に可燃ごみ減量化啓発のA4サイズのプレートとポスターを制作し、各自治会に配布しました。ごみ集積所への「さんあーる」のQRコード等の掲示は、利用者等含めて効果的か見きわめる必要があると考えます。今後の取り組みとしましては、違反ごみの多く排出されている集積所を重点的に自治会の協力をいただきながら啓発看板等の設置を検討してまいりたいと考えております。
次に、職員の人海戦術によるごみの啓発活動についてであります。ごみの分別適正化のために職員一人一人がごみの分別に対する知識を習得することで、住んでいる地域の中で地域住民に的確なアドバイスができるようになることは必要であると考えております。平成31年度には職員に対する研修会を予定しており、受講した職員みずからがごみ減量アドバイザーとして地域の中で説明できるようにと考えております。
次に、小中学校に出向いての出前講座の実施についてであります。例年小学校4年生の社会科授業の一環として、上田もしくは丸子クリーンセンターの見学が実施されております。社会科見学後の小学生からは、ごみを減らすことの大切さを学びました、これからはより物を大切にしますという感想もいただいており、ごみの減量、分別を学ぶ有意義な授業であると考えております。見学に参加した児童を通じてその保護者にも分別の大切さなどが伝わることを期待しております。
ご提案の学校へ出向いての出前講座の実施については、学校側から年間計画の中には組み入れづらいということはお聞きしておりますが、小学校4年生に限らず市内小中学校の生徒及び保護者の皆さんに対するお知らせという形での情報提供は取り組める内容として実施を検討しております。
また、市内保育園の保護者参観日などに一般廃棄物処理事業者の皆さんが訪問し、園児に保育園で集めたアルミ缶がどのようにリサイクルされているかをわかりやすく説明し、保護者に対してはプラマークつきプラスチックごみなどの分別方法についての説明を行っている事例もあります。
このように子供のころからの環境教育を継続するとともに、市民一人一人の小さな心がけがごみの分別の適正化やごみの減量につながると考えており、今後もさまざまな手法により啓発に努めてまいります。
以上でございます。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) 前向きなご答弁本当にありがとうございました。このプラごみの理解を深めるために少し標語を考えました。「分別は容器包装プラマーク」、このように皆さんでアイデアを出し合いませんか。上田市の総力を試されているときでもあるのです。
それでは、次の質問とさせていただきます。今日まで影響を与え続ける山本鼎思想、神川地域を中心に農民美術運動、そして児童自由画教育運動を提唱し100年を迎える大切な節目の年をことし迎えています。市長の施政方針でも発表がありました。ことしの丸子地域の成人式では、副市長が新成人に向け、鋭い感覚を持った山本鼎は明治の美術教育、当時の模写絵から自分の目で見て子供たちが感じ取ったものを自由に描く児童自由画教育運動を提唱し、この鼎の教育運動思想は全国へと、直感を大切にと鼎を顕彰した信州上田学をイメージするメッセージでもありました。先ほどの市長答弁もおかりすると、シビックプライドとして新成人の心に必ず刻まれたものと思います。
また、鼎は描きやすい画材の研究を重ねております。誰でも幼少のころ宝物である画材、クレパスを考案したことで知られており、サクラクレパスの経営理念にも鼎の自由画運動の思想が今でもうたわれております。子供たちから見たらクレパスを発明してくれた鼎はクレパスの父、クレパスのおっちゃんだと私は考えています。子供たちに鼎を知ってもらえる大切な功績です。子供たちにぜひ伝えてください。子供の心に必ず響き、必ず心が動きます。
第1回児童自由画展覧会を開催した神川小学校では、ことしはその思想をもとに子供たちに画材を持たせ、自分が直接感じたものを自由に描く時間を考えていると先生からお聞きしています。そして、その思想はサントミューゼ子どもアトリエで「子どもは天才講座」へとつながれ、対象は幼児へと幅を広げ、技法が重要ではなく、子供の感じたものを表現したいようにする、その幼少時期でしかできない貴重な体験、親子活動を続けています。あわせて第6回山本鼎版画大賞展、大賞をとられた注目の若手作家、銅版画家村上早展が開催されております。さまざまな顕彰事業が続けられていることを高く評価、期待いたします。
そして、もう一つ鼎の功績、農民が農閑期に工芸品をつくり収入を得て、美術的、文化的な素養を生活に取り入れ、農民の生活をみずからの手で豊かにした農民美術運動、画家であり、創作版画の創始者と言われる山本鼎は、児童自由画、農民美術などの美術教育運動を手がけ、いわば実業家であり、それらの活動は上田自由大学発祥へとも深くつながっています。
そこで、質問をいたします。2019年は山本鼎、農民美術、児童自由画教育運動100年を迎えますが、どのような事業や施策を考えているか、お伺いいたします。

○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。
〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕

◎政策企画部長(柳原渉君) 100周年の事業内容というご質問でございます。
上田市立美術館はことし開館から5年を迎えました。開館当初からこれまで52年の長きにわたり山本鼎の業績を伝えた山本鼎記念館の理念を引き継ぎ、「育成」を基本理念にさまざまな事業展開を図っているところでございます。美術館開館時に開催した「山本鼎のすべて」を初め「山本鼎版画大賞展」、「山本鼎青春の絵はがき」、「山本鼎農民美術のデザイン」など折に触れて鼎の業績を紹介するとともに、学芸員による公民館や自治会での講演会、各種雑誌への寄稿などを通して鼎の業績につきまして伝えてまいったところでございます。また、児童自由画教育の精神のもと、子どもアトリエを活用した教育普及にも取り組み、未就学児童を対象とした「子どもは天才講座」、小中学生対象の「なるほど美楽」等を開催し、充実させてまいりました。
こうした中、本年農民美術と児童自由画教育運動が100周年を迎えます。さらなる事業展開としてより多くの方に鼎を知ってもらい、共感が得られるまたとないチャンスでありますので、100周年を記念しまして、11月末から来年2月まで、「農民美術・児童自由画100年展」の開催を計画しております。この記念展では、農民美術運動が始まってから現在までの歩みを振り返るとともに、これからの農民美術を展望し、一方の児童自由画教育運動につきましては、この運動を推進した山本鼎と同時代の人々の交流の歴史の中から運動の展開をひもといていく展覧会構成を考えております。大正時代から現在までの農民美術、児童自由画関連資料や現役農民美術家の皆さんの作品を展示するほか、全国各地で活躍する研究者を招いたシンポジウム、体験講座、ギャラリートークなどのイベントを計画しております。
記念展の運営に当たりましては、神川地区の皆様を中心とします神川・山本鼎の会、農民美術事業者団体の長野県農民美術連合会、そして上田市の3者から成る実行委員会を設置し、市民協働で行ってまいります。作品や資料の借用、神川小学校等に保管されているかつての児童自由画の分析と研究、県下の農民美術の歴史的な聞き取り調査など、3者の協働による取り組みは大正デモクラシー期の鼎らの取り組みと相通ずるものがあると考えております。
また、美術館だけではなく、教育委員会におきましても公民館活動として新たに4月に開館する神川地区公民館を会場に、信濃国分寺資料館や神川・山本鼎の会の皆様との共催で、山本鼎や当時の若者たちの活動をテーマとした講演会やパネル展を開催するなどの計画を進めております。山本鼎と上田の青年たちがともに夢見た社会の改良という理念が上田から全国の農村社会や学校教育に広がり、今日までその影響を残していることは誇らしくもあります。この意義を市民の皆様と共有しまして、上田地域の文化芸術の振興と郷土を愛する心の醸成に寄与してまいりたいと考えております。
以上でございます。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁ありがとうございました。ことしは大変期待できる年と確信いたしました。
次の質問です。農民美術は100年を契機に農民美術連合会ではまた新たな視点を取り入れ、こっぱ人形の現代版を県内の道の駅で販路拡大、そして市ブランディング支援事業の助成を受けて柳町のかわいらしいサインボードが設置されるなど、鼎のユニークなビジネス思想を受け継ぎ、次世代へと継承者へつながる事業展開を次々に打ち出しています。伺ったこっぱ人形の会を主宰している徳武さんの工房には、驚くようなアイデアが準備してありました。市民力がますますパワーアップしていると実感しております。
また、農民美術は昭和57年、長野県伝統的工芸品に指定され、本年は経済産業大臣指定の伝統的工芸品、県内では7品目、木曾漆器、飯山仏壇などがありますが、国指定になるための指定基準の100年に達します。あとは従事者の人数が足りないことは課題でありますが、よき古き本物が見直されるこの時代、これは新たなチャンスだと思います。先人たちが農民美術工芸品をつくり、都市部へ販売した運動を振り返り、商工業としての農民美術と捉え、市の協力と、例えば今人気が出ているこっぱ人形に焦点を当て、上田市観光会館、そして東京の銀座NAGANOへの積極的な展示販売の依頼、そしてこっぱ人形の講習会には県外から多く訪れることから、体験型の滞在観光へとつなげ、そしてこれは未来のつくり手、従事者の養成の可能性を秘めているとも考えております。
農民美術運動100年であることを好機と捉え、この農民美術を商工、観光の視点を入れて推進していく考えはあるか、お伺いいたします。

○議長(小林隆利君) 大矢商工観光部長。
〔商工観光部長 大矢 義博君登壇〕

◎商工観光部長(大矢義博君) 農民美術を商工、観光の視点も入れて推進していく考えについて答弁申し上げます。
農民美術は上田市の代表的な伝統工芸として後世へ引き継ぐべき大切な伝統産業の一つであると考えております。こうした地域を象徴する伝統産業の振興に向け、商工観光部といたしましても平成29年度に創設いたしましたブランディング支援事業補助金の有効活用により、農民美術のたくみのわざを生かす店舗用の木製看板を制作していただき、中心市街地の各店舗に取りつけ、町並みを彩る取り組みを展開しております。また、昨年は柳町においてこっぱ人形市が開催され、温かみある作品が好評を得たところでございまして、引き続き商店街を初めとするさまざまな機会を通じて農民美術のすばらしさの発信や販路拡大を支援してまいります。
上田地域産業展におきましてもたくみが実演企画といたしまして、一昨年よりこっぱ人形の彫り体験コーナーを設けておりまして、子供から若い世代に大人気でありました。また、昨年8月には鉄道会社の会員誌に農民美術の歴史や作家、上田市内の店舗などの特集記事が掲載されたところ、市内の農民美術を扱う店舗を訪れる観光客の皆様が増加したとお聞きしておりまして、農民美術が貴重な観光資源であることを改めて認識したところであります。
これからの観光は地域のさまざまな資源を生かす体験型のコト消費、これがキーワードになっております。農民美術は当市でしか触れることができない資源でございますので、新たな旅行商品のメニューとして農民美術の制作体験を盛り込むなど、これからの観光誘客に生かしてまいりたいと考えております。
以上でございます。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) 前向きなご答弁ありがとうございました。今何がブームになるかわかりません。ぜひこのチャンスを逃さずチャレンジしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、最後の質問です。上田再構築プランに掲げる信州上田学、先ほど代表質問でも答弁を何度かいただきました。私がこの信州上田学に期待することは、子供たちが信州上田学の学びにかかわり、そして一緒に企て、地域を知り、地域愛を育むことにより、例えば上田の産業の特徴、ものづくり産業が蚕種、養蚕の産業、先人の知恵をつなぎ、今、そして未来がある、これを学び、知ることにより、地域の産業の魅力、興味を持ち、夢を抱ける仕事となるドリームワークスのようにと期待しています。
信州上田学のキャッチをおかりすれば、住みたい理由を言えるまちをつくる、志がとても高く感銘いたしました。私も大学生を持つ親です。その心境は大学等で一度離れる子供たちが戻ってこれるふるさとの理由が言えるまちであると思います。このまちにするためには、私たち大人の責任でもあると思いますが、信州上田学にはその期待も重ねられるとお話を伺って感じました。
それでは、この信州上田学の中に山本鼎、農民美術、児童自由画教育運動、上田自由大学の理念を取り入れて行う考えはありますか。
そして、2点目、先人が培った知恵を現在の産業や美術教育につなげた功績について、信州上田学でどのように伝え、実践していくか、最後の質問とさせていただきます。

○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。
〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕

◎政策企画部長(柳原渉君) 信州上田学との連携というご質問でございます。
信州上田学は、地域に脈々と受け継がれてきました歴史、文化、自然、風土等の資源を学ぶことで郷土愛を育み、地域課題をみずからが解決することで持続可能な地域づくりを行う人材を育む事業でございます。
さて、山本鼎が起こした農民美術運動は、農民美術を産業美術として高めるとともに、当時は国民の大半を占める農民が美術創作に親しみ、ものづくりという意欲を高揚させ、農村経済の救済にもつなげたところであります。また、児童自由画教育運動は、鼎の自分が直接感じたものはとうといという言葉で表現されているように、手本となる絵の模写であった絵画教育を児童の自由な発想と創造力により絵を描くことを提唱し、創造的な美術教育へと高めたところであります。さらに、これらの運動にかかわり学習意欲に燃えた金井正ら地域の青年たちが始めた先駆的な民衆教育運動である自由大学運動につきましても共通する理念は自律的な学びの実践であります。信州上田学の推進に当たりましては、先人から受け継がれましたこうした理念を踏襲しながら、幼保小中高のライフステージに合わせた学びを提供してまいります。
なお、公立大学法人長野大学においては、教養科目として新年度後学期に開講予定の信州上田学では上田自由大学をテーマにして、学びにより地域文化の創造を目指した青年たちを取り上げ、大半を占める県外学生が上田地域を知り、学ぶ契機とする計画でございます。
いずれにいたしましても、長野大学等とも連携して、座学だけではなく、関係する産業の承継者や研究者等による現地での学習やグループワーク等のアクティブラーニング、探求型学習によりまして先人が示したみずから学び、みずから考え、みずから行動する力を地域の一員として発揮できる市民力を醸成してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。

平成31年3月一般質問通告内容

[主題]市政について

[副題]ごみ分別推進対策について

  1. ごみの分別の実態と解決策
    ・ゴミ分別にルール違反が多く、著しい改善が見られなかったと聞く。2件続いてゴミ収集車の車両火災で、消防車が出動した等、これらの緊急事態は、上田市総力を挙げて、乗り切らなければならない、重点課題である。この3か月で、特に強化して実施した対策と、1月の実地調査の結果を受けての解決課題はなにか。・違反ごみは、無記名である場合が多い。自治会に加入していないと、情報すら届かない。そこで、自治会加入率と、ごみの無記名との関係性をどう考えますか。在住外国人の自治会加入率はどうでしょうか。どのように情報を届けていますか。自治会未加入であると、ゴミの排出の制限がかかりますか。

    ・プラごみの分別が厳しくなるほど、燃やせない袋(赤字の指定袋)のゴミが増し、中間処理業者の選抜が過重労働となり、処理費用が膨らむ可能性がある。分別しにくい曖昧な袋(緑と赤の中間)の導入の考えはあるか。
    赤袋の中に、別袋で(曖昧なごみ)を入れる方法など考えられるか。

    ・ごみ排出困難者の解決策、今後のゴミ減量の手法や目標値を設定するにあたり、今後建設予定の資源循環型の炉の種類が重要である。生ごみの資源化と合わせて、慎重にかつ早期の方向性は。上田市としては、現時点の炉はどう考えているか。

 

  1. ごみの分別の効率的な周知強化について
    ・ゴミ排出までの動線に合わせ、ゴミ袋購入は商店、排出はゴミステーション。この入りと出、双方に「緊急事態」等の警告と、「さんあーるアプリ」QR等を誘導し、だれでも情報を入手する手段をとれないか。・急務を有する事態、人海戦術として、上田市役所職員の啓発推進活動は、どう考えているか。小・中学校での「上田ごみ出前講座」を考えられないか。

 

[副題]山本鼎農民美術自由画運動・上田自由大学発祥100年と信州上田学との連携

  • 2019年は、山本鼎農民美術自由画運動・上田自由大学発祥100年を迎えた、大きな節目の年、チャンスの年である。どのような事業、施策を考えているか。
  • 農民美術は、商工、観光の視点も入れ県内三大工芸品として注力できるか。
    どのように推進していくか。
  • 「信州上田学」との連携は、どのように推進していくか。また信州上田学において、先人が培った知恵を現在の産業、美術教育までつなげた功績をどうように伝え実践していくか。

請願第1号、後期高齢者医療費窓口負担の原則2割化に反対する請願 反対討論

△日程第17 請願第1号

○議長(小林隆利君) 次に、日程第17、請願第1号、後期高齢者医療費窓口負担の原則2割化に反対する請願を議題とし、厚生委員長の報告を求めます。林厚生委員長。
〔厚生委員長 林 和明君登壇〕

◎厚生委員長(林和明君) 請願第1号、後期高齢者医療費窓口負担の原則2割化に反対する請願について申し上げます。
まず、審査に先立ち、請願者から趣旨説明制度に基づき願意の説明を受けました。
審査において、少子高齢化が進行する中、後期高齢者医療制度は歳入と歳出のバランスが崩れ、財政的に厳しい状況に置かれている。この状況が続くと制度の維持が難しくなり、仮に制度が破綻した場合は後期高齢者の負担がさらに重くなることが懸念されるため、安定的かつ持続可能な制度にしていく必要がある。また、生活保護世帯には別途セーフティーネットが設けられていることから、本請願については反対であるとの討論がありました。
一方、老人福祉法には、高齢者は多年にわたり社会の発展に寄与してきた者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものと明記されていることから、高齢者が安心して暮らせる社会をつくることは政治の重要な責任である。しかし、社会保障制度は高齢者が優遇されている、高齢者を支えるために現役世代の負担が大きくなっているといったことを根拠に年金、医療、介護などの改悪が進められてきた。高齢者が大切にされ、安心して老後を送ることのできる社会の実現のためにも、本請願は妥当なものであるとの賛成討論がありました。
採決の結果、賛成少数により本請願は不採択とすべきものと決定いたしました。

○議長(小林隆利君) ただいまの委員長報告に対する質疑に入ります。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(小林隆利君) これより討論に入ります。
討論の通告がありましたので、順次これを許します。まず、成瀬議員の討論を許します。成瀬議員。
〔6番 成瀬 拓君登壇〕

◆6番(成瀬拓君) 請願第1号、後期高齢者医療費窓口負担の原則2割化に反対する請願について、賛成の立場で討論します。
高齢者の7割が所得100万円、年金収入220万円未満で、生活を支える唯一の公的年金が減らされ続け、年金収入が生活保護基準を下回る世帯が3割に迫っています。高齢者は厳しい生活を強いられているのが実態です。こうした現実があるにもかかわらず、安倍内閣発足後、社会保障が高齢者優遇となっている、高齢者を支えるために現役世代が苦労しているなど世代間を分断する宣伝が繰り返され、それが年金、医療、介護などの改悪を進める口実とされてきました。さらに、安倍政権は75歳以上の後期高齢者医療の保険料を最大9割軽減する特例措置の段階的廃止を決めました。
しかし、老人福祉法には、高齢者は多年にわたり社会の進展に寄与してきた者、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全な安らかな生活を保障されると明記されており、高齢者が安心して暮らせる社会をつくることは政治の重要な責任です。
本請願にあるとおり、75歳以上の医療費窓口負担を引き上げないことは国の責務であり、本請願は採択されるべきと考えます。
以上、賛成討論とします。

○議長(小林隆利君) 次に、齊藤加代美議員の討論を許します。齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) 請願第1号、後期高齢者医療費窓口負担の原則2割化に反対する請願に対して、反対の立場から討論をいたします。
平成20年度より導入された後期高齢者医療制度は、高齢者の医療費を中心に国民全体の医療費がふえ続ける中、高齢者の皆さんが安心して医療を受けられる、若い世代を含めて支え合う相互扶助の医療制度です。医療費の財源は窓口負担を除いた後期高齢者の皆さんの医療費総額のうち約5割が公費、国、県、市、約4割が現役世代からの支援金、約1割が保険料となっております。
しかし、昨今全人口が減少し、高齢者の占める割合が増加し、進む高齢化や現役世代の急減という人口構造の変動により、後期高齢者医療制度の財源の約4割を占める世代間の相互扶助として支援金を負担する勤労年齢世代に大変荷重がかかってきています。1人当たりの医療費の状況を見ると、平成29年度の全国平均は、後期高齢者医療制度で約94万円、国民健康保険では約36万円と国保の約2.6倍となっております。市人口の後期高齢者率も制度が始まった平成20年度から約10年間で約3%上がり、総人口が減少している中、後期高齢者の人数は約4,200人増加しています。この影響から後期高齢者の医療費は毎年増加し、それを支える現役世代の保険料等の負担が大変重くなってきているのが現実です。そこで、世代間や世代内の負担の公平化を図り、国の責任において国民皆保険制度を維持可能な制度としていくために、勤労世帯の後期高齢者医療への負担状況に配慮しつつ、負担のあり方を見直す検討がなされています。
そこで、生活困窮の高齢者には特別な配慮と負担の根源である医療費の適正化に向けて、疾病予防、介護予防を含めた重症化予防の施策を推進し、健康寿命や勤労年齢を延伸する努力をすべきと申し添え、反対討論といたします。

○議長(小林隆利君) 以上で討論を終結します。
これより採決します。本請願に対する委員長の報告は不採択ですので、原案についてお諮りします。本請願を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者 起立〕

○議長(小林隆利君) 起立少数であります。よって、本請願は不採択とすることに決しました。

平成30年12月一般質問

上田市議会だより71号 平成31年2月1日号より

市政について

○議長(小林隆利君) 次に、質問第6号、市政について、齊藤加代美議員の質問を許します。齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) 通告に伴い、大勢の傍聴の皆様お越しいただいております、元気に質問させていただきます。
この秋は出前議会報告会などで市民の皆様のお声を、ご意見、理念、疑問などをお聞きいたしました。市民の皆様のお声を直接聞く重要性を深く理解し、私も身が引き締まる思いでした。そして、自助の精神でごみ削減問題について活動していることを知り、その皆様のご意見を含みながら、プラマークつきプラスチックごみ、以後プラごみと言わせていただきます、分別推進対策とごみ減量アクションプランについて質問とさせていただきます。
昨今プラごみは世界的な問題になっております。国ではプラごみの輸出先中国がことしの1月から受け入れを中止、環境汚染の問題でストローの規制、レジ袋の有料化等、そして2030年までに25%の削減方針などが次々と出されております。この世界事情を自分事として受けとめ、熱心な各団体の活動では、寒い日も暑い日もレジ袋削減運動のマイバッグの呼びかけの推進、生ごみ削減にはコンポストやEM菌等による生ごみの堆肥化と、そしてこの秋には各地区で消費生活展を開催されました。さまざまな努力がされており、市が掲げるごみ減量は「1人の100歩より100人の1歩」を実行されております。そして、皆さんはごみは資源に変わると常に循環型社会の実現に向けて活動されており、ごみの減量により今後建設予定の資源循環型施設のコンパクト化が図れ、市財政の軽減につながるという一連の思いを重ね活動を繰り広げてくださっています。こういった市民の力があったからこそ5年間でごみ削減1割が実現できたのだと実感いたしました。
そこで、プラごみの分別実態と処理の現状確認について質問をいたします。実際今回の出前報告会の質問の中に、プラごみは可燃ごみと一緒に燃やしているのですか、プラごみは炉の貴重な熱源ではなどという声も聞きました。リサイクル処理であることも統一認識されていないのが現状です。緊急事態と題し8月から連続広報でプラごみの正しい分別を強化していますが、いわば上田市のプラごみは違反ごみが多過ぎて検査が最も低く、これ以上続くと再商品化をする中間業者の引き取りが困難となり、家庭からのプラごみの回収ができなくなるかもしれないという緊急事態だと認識しております。
私も二重袋がなぜいけないのか、緑色のビニール袋がなぜ薄いのか、その根拠を知りたくプラごみの分別している業者の現場に伺いました。まずは驚きました。全て一つ一つ持ち込まれたプラごみの袋を破り、手作業での分別作業、そして薄い緑色の袋はすぐ裂けましたが、しかし二重袋として使っているレジ袋等は簡単には破れず、作業の方が常に片手に持ったカッターで切り、中を全て確認し選別作業をされておりました。本当に頭が下がりました。実にその中身の状態のひどさにも驚かされました。これらの根拠を知り、私もプラごみへの考えが私自身変わりました。
そこで、質問です。最も悪い状態であることが改善されないと商品化がされない、分別が進んでいない現状や処理方法を市民にわかりやすく、リアルに直接的に周知し、危機感を抱いていただくことで積極的な分別がされるように取り組んでいく考えはあるか、お伺いいたします。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) プラマークつきプラスチックごみの適正排出についてのご質問であります。
上田市では容器包装リサイクル法の施行に伴い、プラマークつきプラスチックごみを収集し、選別、圧縮、保管などの中間処理をした後に、公益財団法人日本容器包装リサイクル協会の指定業者に再商品化の委託をしております。その結果、プラマークつきプラスチックごみは、輸送用パレットやプランターなどにリサイクルされております。
議員ご指摘のとおり、上田市のプラマークつきプラスチックごみについては、ことし5月に実施された再商品化をする前の段階の検査で容器包装リサイクル協会から、プラマークがついていないプラスチックごみなどの不適物が多く含まれており、再商品化するのが困難であるとの報告を受けました。市ではプラマークつきプラスチックごみの適正排出については、これまでも「広報うえだ」などにより継続して啓発を行ってまいりましたが、ことし5月の報告を受け、重点的な取り組みが必要と判断し、8月1日号の「広報うえだ」や9月16日号の「環境うえだ」特別号の全戸配布などによりまして、市民の皆さんにプラマークがついていないプラスチックごみや不適物を入れないこと、二重袋にしないこと、中身を使い切り、汚れを落とすことなど分別の適正化の啓発を行ってまいりました。
その後10月末にごみ収集委託業者及び中間処理事業協同組合と現状の把握と今後の対策等について話し合いを行いました。業者の皆さんからは、プラマークつきプラスチックごみについて、まだ不適物が多く含まれているという意見が多く、適正化への取り組みは継続して行うことが必要であると再認識したため、この12月1日号の「環境うえだ」特別号でも正しい分別について啓発したところでございます。
今後も議員からご指摘ありました中間処理業者がごみ袋を手作業で選別している状況も含めて周知するなど、市民が積極的に分別の適正化に取り組んでいただけるよう情報提供を行うとともに、違反ごみが減少するよう、違反者に対する指導の強化についても取り組んでまいります。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁をいただきました。
次に、どこにどうやって周知するか、ターゲットです。どの年代層やどの地区の実態が悪いかを把握し、集中的にその層に、地区に的確な情報伝達手段で伝えることで、より早く効果が出ると考えます。実際私が2カ所の中間処理業者のプラごみの分別作業を見た際、地区別にプラスチックごみの品質が明らかな違いがわかりました。そして、ともに考え、行動するための消費者は受け身の存在ではなく、なぜごみの分別が必要なのか、理屈、効果、根拠を含めて一緒に考えていく、知らせていく機会が重要だと考えます。最近よく耳にする倫理的な消費、エシカル消費ですが、社会的課題の解決を考慮し、そうした課題に取り組む事業者を応援、思いやりながら消費行動につなげていく現在その導きが重要だと考えます。
そこで、2点伺います。どの年代が分別を積極的に行っていないと考えるか、根拠はどうか、また実態調査を行うことにより現状把握はしていますか。
2点目、分別を行う理由や効果を市と市民が一緒に考える機会はありますか。また、理由、効果の周知により理解を深めることで市民一人一人の意識が変わると考えますが、どのように啓発をしていますか。みずからの小さな行動が財政負担の軽減につながるという協働の理解が深まると、より早く効果が出るのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) 年代別のごみ分別についてのご質問でございます。
ごみの分別の意識に対する実態調査は行っていないため、年代ごとの分別に対する意識の高さなどについては把握していない状況であります。集積所に出されたごみについて、不適物の混合などにより違反ごみとするものについては、収集委託業者が違反ステッカーを張りつけ、違反報告書を市に提出することになっており、違反ごみの排出者が特定できた場合は、自宅訪問などにより分別の徹底をお願いしております。今後につきましては、この違反報告書をもとに違反ごみの排出者の傾向を把握してまいりたいと考えております。
次に、分別意識を高める啓発についてであります。市では平成29年1月から全自治会を対象とした適正な分別のための自治会説明会を開催しており、現在まで全240自治会のうち186自治会で説明会を実施し、約4,800人の方にご参加をいただきました。今後も自治会説明会は継続実施してまいりますが、毎年説明会開催のご要望をいただく自治会もあり、市としましてはご要望に沿う形で説明会を実施させていただいております。
議員からご提案がありました分別を行う理由や効果について市と市民が一緒に考える機会につきましては、自治会説明会のほか、出前講座、市内大学の新入生を対象としたごみの出し方説明会などで分別の方法などの説明を行うとともに、市民の皆さんから意見をお聞きしております。また、ごみ減量アドバイザーの皆さんが企画運営を行っている「聞いてマル得エコ講座」は、ごみ問題について参加された皆さんとごみ減量アドバイザーが一緒に考える機会となっております。
これからも市民の皆さんと一緒に考え、行動することで、ごみの分別や減量に対する意識が高まるような取り組みを実施してまいりたいと考えております。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁をいただきました。引き続きご努力をお願いいたします。
続いて、ごみ減量アクションプランを推進するためのごみ減量対策について。過去5年間で約1割のごみの減量化が図られました。ごみの減量目標値を2027年までに105グラムのキュウリ1本分と減量目標を数値で示したことは意識が大変高まり、原動力につながります。
そこで、年度ごとのごみ減量の成果を4地区ごとの数値ではっきり示したらどうでしょうか。先日もこの数値を活動団体の方に発表することで目的が高まる機運を直接感じることができました。また、ごみ減量の推進として努力していた市民への見返り、「やさいまる」などの制度は確実な成果が出ました。しかし、「生ごみ出しません袋」の実績は昨年度大幅に下がり、要因は成果報告書の提出などハードルが高く、前向きな行動へとつながる明るさがなく、運用の見直しが必要だと感じました。
ここで、減量への近道として「ずくだせ水切り作戦」を提案いたします。ターゲットは子育て世代。厚生委員会で視察に行った静岡県藤枝市では、がん検診の推進を「がん撲滅戦隊ウケルンジャー」を市職員の考案のキャラクターを用いて子供から大人に検診の勧めを行っていました。子供たちからのメッセージは大人たちは大変受けとめやすいのです。これらを参考にし、生ごみの水を絞ることで10%の生ごみが減量できます。使い捨ての自立式の生ごみ袋が安価であり、私も大変便利で使っていますが、そこで提案いたします。上田市のオリジナルの水切り袋の作成です。上田には幾つかのキャラクターがありますが、例えば「六文戦士ウェイダー」のゴッタク一族のキャラなどを用いて子供にも親しみやすく、子供から大人へ誘導できるような仕組みづくりを、そしてその仕組みの一環といたしまして、学校教育の一環、環境問題にクリーンセンターへの見学があります。そこで水切りの根拠を学習、体験、自宅での実践につなげ、家への実践につなげる家族ぐるみの生ごみの水切りの実践、先日丸子クリーンセンターの小学校4年生の見学に同行させていただき、かなり現実性の高さを感じたところであります。
そこで、質問を3つさせていただきます。1つ目、市民一人一人が1日当たりキュウリ1本分、100グラムのごみを減量するための取り組みをどのように推進していますか。
2問目、「生ごみ出しません袋」の平成29年度の実績は前年度比件数で3割、枚数で6.5割減少した理由は何でしょうか。今後の方針はいかがでしょうか。
3番目、先ほど提案いたしました「ずくだせ水切り作戦」のようなごみ減量化に向けた新たなネーミングを用いて実施するお考えはありますでしょうか、お伺いいたします。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) ごみ減量アクションプランの推進についてお答えいたします。
市では一般廃棄物の計画的な処理の推進を図るための基本的な方針を定める上田市ごみ処理基本計画と、基本計画に則し各主体の具体的な行動指針となるごみ減量アクションプランを市民との協働により平成30年3月に策定いたしました。計画では、市民、事業者、行政が連携、協力してごみの発生抑制を基調とした資源の循環利用、適正な処理についてさらに取り組みを強め、環境負荷の低減やごみ処理コストの抑制などを図り、豊かな自然環境と共生したまちの実現を目指すため、10年後のごみの減量目標値を示しております。
ごみの発生と貴重な資源の消費を抑制するため、可燃ごみや不燃ごみだけでなく、資源物を含むごみの総排出量に着目し、基準年度である2016年度、平成28年度の1人1日当たり778グラムの排出量に対し、10年後の2027年度にはキュウリ1本分に相当する105グラムを減量して673グラムにするという目標値を設定しております。
目標値の達成には、3Rの取り組みとして、リサイクル、再生利用より前にリデュース、発生抑制とリユース、再利用の2Rを優先することが大事でありまして、ごみをなるべく出さないライフスタイルへの転換が望まれます。そのためには、広く市民の皆さんにごみ処理の現状を知ってもらうための周知、啓発を図り、理解を深め、行動を促す機運を醸成していくことが重要であると考えております。
ごみの減量と分別に関する自治会、事業者への説明会や専門家を講師とする講演会などを開催し、市民との直接対話の場を設けることのほか、広報紙やホームページ、マスコミへの情報提供等を活用して、ごみの減量を実践する人が一人でもふえるように引き続き周知、啓発を重ね、取り組みの推進に努めてまいります。
また、啓発事業とともに「ごみから資源」の流れを形成するリサイクル事業につきましても、費用対効果などを見きわめながら庁内で検討を進め、目標値の達成を目指してまいりたいと考えております。
次に、家庭からの生ごみ減量施策として、「生ごみ出しません袋」は平成28年度から取り組んでおります。「生ごみ出しません袋」の実績について、申請件数、枚数が減少した理由についてですが、初年度は新たな取り組みということもあり市民の関心も高く、申請件数、配布数が多かったものと考えております。利用者からは、ごみを出さないよう意識した、ごみの減量に取り組めた、事業を継続してほしいとする意見が多くある一方で、袋のサイズが小さ過ぎて使いづらいとする意見もありました。このことから、小のサイズの袋を使いなれていない皆さんは継続利用につながらなかったのではないかと考えております。また、袋の申請手続においても多少の煩わしさがあるものと捉えております。
「生ごみ出しません袋」はごみの減量への動機づけとなる事業であることから、今後も市民の皆さんが利用しやすいよう工夫し、利用者の拡大につながる周知に努め、減量意識を高める事業として取り組んでまいります。
次に、生ごみの水切りは家庭で実践できるごみ減量の最も身近な取り組みであり、ごみ減量アクションプランにも「生ごみの3切り」の実践につきましては、発生抑制の観点から食材の使い切り、料理の食べ切りを基本に、それでも出た生ごみは水を切ることを推奨しております。生ごみの70から80%は水分であると言われており、生ごみを可燃ごみとして出す場合にも、一絞りすることで1割程度の減量が見込まれます。また、水切りすることにより家庭での腐敗や悪臭を軽減する効果もあり、集積所を清潔に保てるだけでなく、焼却施設への負担軽減にもつながります。
子供の体験を通じて家庭におけるごみの減量意識の高揚が図られることや、親しみのあるネーミングや身近なご当地キャラクターを活用した啓発は、広く市民に行動を促すためのきっかけになるものと受けとめております。ご提案は市民のアイデアを施策に反映することが趣旨と捉え、市は市民の創意を引き出すための工夫を重ね、生み出されたアイデアをごみ減量、再資源化施策に生かしながら取り組んでまいります。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁をいただきました。減量施策につきましては、ぜひ改善するところは改善を、そしてアイデアにつきましても市民の創意でぜひ進めていただきたいと思います。
続きまして、ごみ分別アプリ「さんあ~る」が9月から配信されました。自治会に合わせて毎朝ごみの収集をプッシュ通知でお知らせしてくれ、ごみ検索も大変便利です。インフォメーション機能はお知らせやリアルな作業映像もリンクを張れます。今どきのスマホアプリなので子供たちへの環境問題の興味を引き出すことも期待できます。
そこで、伺います。ごみ分別アプリ「さんあ~る」の利用実績はどうか。アプリから広報や行政チャンネルのごみ減量に関する内容をリンクさせたらどうかと伺います。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) 9月から配信を開始しましたスマートフォンやタブレット端末を使ったごみ分別アプリ「さんあ~る」は、この11月末現在でおよそ1,000人の皆さんがダウンロードされ、ご利用いただいております。このアプリは、手軽に素早く分別方法が確認できる分別検索・分別ガイド機能や、お住まいの地区を設定することでごみ出しカレンダーにより当日出すごみが画面上で確認できるほか、アラームによりお知らせする機能がついております。また、紙ベースでお配りしている「ごみの分別帳」、「ごみの出し方」の情報が含まれており、スマートフォンやタブレットを所持されている多くの市民の皆さんにご活用いただき、ごみ分別適正化の推進に役立つことを期待しております。
議員からご提案のアプリからごみ減量に関する広報や行政チャンネルへのリンクは可能でありますので、今後もアプリを含めたさまざまな方法による情報提供に努めてまいりたいと考えております。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁をいただきました。ありがとうございます。
続いて、高齢者にはますますごみの分別が厳しくなっていくのが現実です。市民からは高齢者にもっと優しいごみの分別を、これは悲願です。今後先を見て、新資源循環型施設ではこれらの現実を踏まえ、重要課題と捉えていただくことを深く希望し、次の質問といたします。
ごみ減量アクションプランのアクション6、「お互い様」と言える明るい地域社会をつくるでは、ごみの分別や排出が困難な高齢者、障害者世帯へ可能な範囲で優しく手を差し伸べ、地域社会で見守りますとの方針が示されていますが、具体的な施策はいかがでしょうか。特にプライバシーや平穏な近所づき合いを考えると、出されたごみに対して注意はできないという現実もあります。プランにあった取り組みはどうでしょうか、お聞かせください。

○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。
〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕

◎生活環境部長(山口泰芳君) 人口急減、超高齢社会を迎え、上田市でも高齢者のみの世帯、高齢単身者の世帯がふえている状況において、ごみ出しや適正な分別が困難な世帯は今後ますます増加すると見込まれます。日常生活を営む上でごみの発生は避けることはできません。発生したごみを正しく分別し、集積所や資源物回収所に運ぶことは高齢者や障害者にとって負担を伴うことであり、課題であると認識しております。アクションプランにも示すとおり、家族の支えはもとより、地域のみんながお互いさま、おかげさまの気持ちで個人の尊厳を保ち、プライバシーにも配慮しながら、できる範囲で支援や見守りに取り組む姿勢が大切であると考えております。
ごみ出し困難な高齢者などへの支援は地域コミュニティーのあり方を象徴する事例とも言えます。家族や親族による自助、隣近所や自治会の力をかりる共助、地域の取り組みを行政が支援することや直接行政が支援することなどの公助といった地域の特性を生かしたさまざまな支援の形態や状況に応じた段階があります。ごみ出し支援につきましては、他市において先進的に取り組まれている事例もあることから、関係課及び関係する主体との連携により、まずはごみ処理の実態の把握に努め、高齢者が健康で自立した生活が送れるよう、社会の変化に即した持続可能な支援体制づくりについて研究を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁をいただきました。持続可能な支援をぜひともよろしくお願いいたします。
次の質問に移らせていただきます。武石地域では昭和32年から有線放送、NTTオフトーク通信に移行し、しかし平成27年2月オフトーク通信が廃止されました。3年間途絶えてしまった音声による放送がことし1月より住民自治組織住みよい武石をつくる会が事業主体となり、音声で情報を受け取る情報サービス、エリアトークが再開してちょうど1年がたちます。この復活で社会につながっていることを感じることで孤独感が軽減する、いざというときの緊急情報も流れ、生活情報により安心感が生活に戻ったなど、高齢者の皆様から喜びの声をお聞きしました。特に高齢化、そして山間部、FM電波、携帯電話のふぐあい等もところどころある武石地域性を生かした、そしてさらに住民自治組織が経営されている成果は大変高く評価をいたします。地域の有線放送でも今後機器の更新が困難の中、参考にと視察も多く訪れていると聞きました。しかし、高齢化が進み、加入者の減少が危惧され、それらを踏まえ健全経営の継続が課題とも受けとめております。
そこで、伺います。武石地域ではエリアトークを導入して1年がたちます。成果と課題に対する考えはどうか、お伺いいたします。

○議長(小林隆利君) 石井武石地域自治センター長。
〔武石地域自治センター長 石井 淳君登壇〕

◎武石地域自治センター長(石井淳君) 私からは武石地域でエリアトークを導入してからの成果と課題はどうかについてお答えさせていただきます。
現在武石地域の情報伝達システム、エリアトークは、住民自治組織の住みよい武石をつくる会の皆様が運営し、毎日朝と夜の2回定時放送を行っております。行政からの各種警報、注意報などの臨時放送やJアラートの緊急放送も問題なく放送されております。
放送を受信する端末の数ですけれども、11月末現在で一般家庭が958台、企業や自治会で54台の合計1,012台を貸与し、加入率はおよそ75%でございます。
定時放送の内容は、行政からのお知らせ、有料放送を含む団体からのお知らせ、お悔やみ等の個人からのお知らせでございます。
さらに、自治会独自のページング放送も随時行われておりまして、みずから積極的に情報を収集することが困難なひとり暮らしの高齢者や高齢者世帯の方々からも、議員がおっしゃるとおり、地域とのつながりを実感できて孤立感がなくなったということで喜ばれております。このように身近な情報を簡単に得ることができる環境が整ったことが大きな成果と捉えております。
一方、課題でございますけれども、加入世帯の年代層の分布では、若年層の加入率が低い傾向にあります。健全経営に向けまして、経営主体であります住みよい武石をつくる会では、身近で魅力のある放送となるよう内容を充実していく検討も始めております。一定の加入台数の確保により、今後の安定した運営に向けて取り組んでおるところでございます。
私からは以上でございます。

○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。
〔7番 齊藤 加代美君登壇〕

◆7番(齊藤加代美君) ご答弁をいただきました。緊急使いとふだん使いの二面性で確保ができたこと、大変高く評価いたします。そして、今後の有線放送のあり方にも大変参考になる事例だと思っております。
続いての質問です。今回の市長提案説明のとおり、エフエムとうみの活用が先月から始まりました。私もアプリから番組を聞き、身近でホットな情報が大変高音質で流れ、通知一覧では市のメール配信が文字情報で受け取れる機能が充実し、身近なラジオ情報のふだん使いと緊急使いが双方受け取れることは、今後の展開に大変期待するところでございます。
しかし、まさしくこれはスマートフォンアプリの活用であり、このような新しい機能がますますふえる昨今、この多様化に不安が募る特に高齢者などが非常に多く、その現実も踏まえ伺います。今後災害時に活用できる全市における緊急情報伝達方法はどのように考えていますかお伺いし、最後の質問といたします。

○議長(小林隆利君) 神代総務部長。
〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

◎総務部長(神代芳樹君) 災害時に活用できる緊急情報伝達方法の考えについてお尋ねをいただきました。
緊急時の市民への情報伝達につきましては、情報格差が生じないよう可能な限り多様化、多重化を図っていくことが重要と考えておりまして、市ではメール配信、ホームページ、ツイッター、テレビ、ラジオ、ケーブルテレビ、有線放送電話、広報車などによる広報などを情報伝達手段としております。さらに、ご紹介いただきましたように、この11月1日からは地域のコミュニティFM放送局エフエムとうみのラジオ放送におきまして、災害時などに緊急情報の放送等を開始いたしたところであります。
一方、全国の市町村における緊急時の住民への情報伝達につきましては、屋外スピーカーなどから音声を伝える同報系の防災行政無線が災害情報の伝達手段の中核をなしておりまして、全国的にも整備が進められております。しかしながら、屋外スピーカーからの音声は雨や風などの気象条件や地理条件によりまして音声が拡散して聞こえにくい場合があるほかに、東日本大震災の際にはその機能が十分に発揮をされなかった事例も報告をされております。
こうしたことから、国におきましては、平成24年に地方公共団体における災害情報等の伝達のあり方等に係る検討会報告書をまとめまして、その中で情報伝達手段の多様化、多重化の推進の必要性を掲げて、同報系防災行政無線については市町村全域に隅々まで整備することは財政的な負担が大きいことから、それ以外の情報伝達手段について地域の実情に応じてできるだけ複数の手段を整備していく必要があるとしたところであります。
上田市におきましては、災害時に活用できる緊急情報伝達方法としてこの同報系防災行政無線を検討した経過はございますけれども、多額の費用がかかることなどから導入には課題があるものと考えております。そのため、これにかわる手段としてコミュニティFMなどによる自動起動ラジオや音声告知が可能なケーブルテレビなどの緊急情報伝達方法につきましても、導入費用や運用の経済性ですとか地理的特性、既存設備の活用、あるいは高齢者世帯など情報弱者への対応といったさまざまな視点から検討していく必要があるものと認識をしております。
今後につきましても、既存の情報伝達手段を最大限活用しながら、災害時における迅速で正確な情報伝達を行いますとともに、国の報告書の内容などを踏まえまして、各地域で導入されている行政や民間の有線放送や地域のコミュニティFM放送など、さまざまな情報伝達手段の災害時の最適な運用方法も研究しながら、全市における緊急時の情報伝達手段の多様化、多重化をより一層推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。

平成30年12月一般質問通告内容

[主題]市政について

[副題]プラごみ分別推進対策とごみ減量アクションプランについて

  1. プラごみの分別実態と処理の現状確認
    • Ⅾ判定であることが改善されないと、中間業者の受け入れが困難。瀕死の状態であることもっと分かりやすく、危機感を持ち、積極的な分別がおこわなれるために、詳しく現状と処理の実態を周知する考えはあるか。
    • どの年代層が分別を実施していないと考えるか。その根拠をアンケートなどの実態調査を通して、状況把握はしているか。
    • 市民が、なぜゴミの分別が必要なのか、理屈、効果を含めて一緒に考えていく機会はあるのか。それらを周知し、理解を深めることで、市民一人一人の意識付けが変わると考えるが、今後どのように啓発を進めるのか。財政負担の軽減につながる協働の理解が深まると、より効果が早くでるのではないか。

 

  1. ごみ減量アクションプランを推進していくためのゴミ減量対策について
    • 10年後、きゅうり一本分のゴミを市民一人一人が減らすための行動をどう推進していくか。
    • 六文戦士ウェイダ―の水切り袋はどうか。小学校の見学や環境学習の際、水切りを実践して、家で行うきっかけづくりをし、子どもの体験を通して、親への関心につなげる、このことを「ずくだせ 水切り作戦(案)」と総称したネーミングと実践の提案。
    • 努力した市民への見返りとしての、ゴミ出しません袋、野菜まるなどの補助があることの周知不足。しかし、「ゴミ出しません袋」の平成29年度の実績は、昨年比、件数は3割減、枚数は6.5割減となった理由はなんと考えるか。
    • 努力消費者に対してEM 等の補助金等の検討はなされないのか
    • ごみ分別アプリ「さんあ〜る」の利用実績はどうか。さらに「さんあ~る」を使った取り組みの提案。
  1. 「お互い様」といえる明るい地域社会をつくる
    • ごみ減量アクション6~「お互い様」といえる明るい地域社会をつくる~

「ごみの分別や排出が困難な高齢者は、障害者等へ可能な範囲で手を差し伸べ、地域全体で見守ります」のサブテーマに沿った施策は。

  • 減量に取り組んでも、プライバシーや近所付き合いの平穏を考えると、出したごみに対して、注意はできない現実もあるが、プランに沿った取り組みはどうか。

 

[副題]武石地域のエリアトークの成果と、地域性を活かした情報伝達システムの導入について

  • 武石地域でエリアトークを導入して一年、その成果と課題
  • 地域性を活かせる情報伝達システムの導入をどう考えるか。見解はどうか。
    • 普段使いについて
    • 緊急情報伝達システムについて